セリのテンジャンチゲ(春セリが香る味噌煮込み)
セリ120gを加えると、いつものテンジャンチゲに青い香りとほろ苦さが立ちます。セリは2分だけ煮て、茎がシャキッとしているうちに火を止めます。
セリ120gを加えると、いつものテンジャンチゲに青い香りとほろ苦さが立ちます。セリは2分だけ煮て、茎がシャキッとしているうちに火を止めます。
豚の背骨を長く煮出した白濁スープに、テンジャンと粉唐辛子であえたウゴジ(ゆでた白菜の外葉)が入り、香ばしさと辛さが重なります。ソンジ(血を固めたもの)は最後に加え、かき混ぜずにスープをかけて温めると崩れません。
ナズナは根ごと入れ、土の香りまじりのほろ苦さを汁に移します。そのかわり、根の間の土を包丁の先でこそげ、冷水で何度も振り洗いする手間がかかります。テンジャンはメーカーによって塩分が違うため、大さじ0.5ずつ足したり減らしたりして合わせます。
ウナギは一度ゆでて身だけをほぐして入れてあり、骨を気にせずスプーンで食べられます。韓国では夏の盛りにわざわざ食べる鍋で、エゴマ粉や唐辛子を足して汁の味を変えることもあります。
身のふっくらした冬の牡蠣と、ほろ苦いナズナをひとつのテンジャン汁で煮ます。昆布だしと大根で澄んだ土台を作り、テンジャンは大さじ1.5に抑えて、牡蠣の磯の味を味噌に埋もれさせません。
山形県米沢の遠山かぶは、普通のかぶより硬く、甘みが強いかぶです。包丁で切らずに刃元の角で削り取るように割ると、でこぼこした面ができ、酒粕を溶いた汁がそこにしみ込みます。それでも芯まで味が入るのは、一晩冷まして翌日温め直したときです。
えごま油で炒めて香ばしくした干し大根葉(シレギ)に、アサリのすっきりした塩気のある汁が重なります。アサリは終盤に入れ、口が開いて塩気が出てから味を整えます。
コチュジャンを使わずテンジャンで煮るため、辛さより香ばしさが先に来て、粉唐辛子と青唐辛子は後ろで辛みを添える程度です。
えごまの粉が米のとぎ汁をベージュ色にとろりとさせ、赤いチゲというよりクリームスープに近い味です。シレギ(干し大根葉)は硬い外皮をむいておくと、やわらかく食べられます。
春が旬のワタリガニは身がぎっしり詰まり、甘みが強くなります。半分に割って殻ごと入れ、粉唐辛子と青唐辛子で辛く煮込みますが、生きている状態に近いカニほどその甘みがよく残ります。
いつもの煮干しだしではなく牛バラ肉(ヤンジ)でコクを出すため、テンジャンチゲの旨味が魚介ではなく肉の側に寄ります。米のとぎ汁で味噌をやわらかく溶き、じゃがいもの角が少し煮崩れて汁に自然なとろみが出ます。
皮ごと鬼おろしですったれんこんのでんぷんと粘りだけで、味噌汁にとろみが付き、細かな粒が汁の中に散ります。宮崎県中部ではごりごり汁とも呼ばれる冬の汁で、水沼神社のそばの池で採れる、糸を引く水神様のれんこんと結び付いて伝わります。高鍋藩が財政立て直しのため、大和の良い品種の栽培を勧めたのが始まりとされます。だしはアジの煮干しで取り、魚のうまみは控えめです。
下ゆでの足りない里芋の茎(トランデ)は、食べると喉がちくちくします。そこでこの秋のチゲには十分にゆでた茎を使い、冷水に浸けて何度もすすいでぬめりまで落としてから入れます。汁は牛肉とテンジャン(韓国味噌)でとり、えごま粉を溶き入れてとろみをつけます。
硬い外皮をむいたふきの茎は、テンジャンの汁で煮ると箸で押せばしなるほどやわらかくなります。ふきはあくが強いので、ゆでて冷水に長くさらす下処理を先に済ませないと、えぐみが汁全体に広がります。
肉を使わずツナ缶ひとつでテンジャンの汁にうまみを出し、ウゴジ(ゆでた白菜の外葉)をたっぷり入れて煮ます。缶の油は半分だけ入れます。全部入れると汁が脂っぽくなります。
ミドドク(小さなホヤの仲間)は硬い皮の中に海水のような汁を抱えていて、噛むと口の中ではじけます。その汁が抜けないよう、へたを切らずに入れて3分だけ煮て、汁は煮干しだしではなく米のとぎ汁にテンジャンを溶いて作ります。統営や巨済など慶尚南道の南海岸では、家庭でよく作られる汁物です。
ことこと煮るうちに、ウゴジ(ゆでた白菜の外葉)の硬い軸がやわらかくほどけ、テンジャンの味をたっぷり吸います。コチュジャンを少し混ぜるので汁はほんのり赤く、米のとぎ汁で煮るため水で煮るよりとろみがあります。
正方形の小麦粉の生地の片側の2角を合わせると、箕(み)の形になります。山梨県富士川町十谷では、この形が福をすくい集めるとされ、元日の朝や祝いの席にこの汁を出します。生地は別にゆでず、根菜を煮ている汁にじかに入れるので、まわりの粉が溶けて汁に軽いとろみが付きます。
えごま油で牛バラ肉を炒め、同じ油でテンジャンと粉唐辛子も軽く炒めてから水を注ぎ、その香ばしさが汁の土台になります。ウゴジ(ゆでた白菜の外葉)は25分ほど煮るあいだに牛肉のだしを繊維の奥まで吸い、薄切りの牛バラ肉は繊維に沿ってほぐれるまで柔らかくなります。具は青菜と肉だけで、味わいは素朴で力強くなります。
肉もだしも使わず、水だけで煮ます。ごま油で炒めたわかめとテンジャン(韓国味噌)が汁の味を作り、肉の代わりに豆腐が入ります。牛肉のわかめスープより軽く、テンジャンが溶けた汁は少しとろりとしています。
田んぼのあぜで採ったタニシをテンジャンチゲに入れていた農村の家庭から伝わった料理で、材料はタニシ、テンジャン、豆腐、ズッキーニ、煮干しだしだけです。タニシは長く煮ると硬くなるため、ズッキーニを3分ほど煮てから加え、豆腐は最後に入れて1、2分温めます。
秋に干しておいた大根の葉を、冬のあいだ少しずつ戻して作ってきた汁です。テンジャンでもんだ葉にえごま粉を大さじ5も溶き入れると、汁はご飯にかけて混ぜられるほどとろりとします。
夏のヨルム(若大根の葉)を入れると、テンジャンの汁の後味にほろ苦さがほんのり残ります。軸がシャキッとしているうちがおいしいので、長くは煮ません。
出汁は別に取りません。沸いた湯にムール貝700gを入れて口が開けば、その煮汁がスープになり、あらかじめテンジャンでもんだ大根の葉から味噌の風味が溶け出します。ぷりっとした貝の身のあいだで、葉の筋がしっかり歯に当たります。