肉じゃが
牛薄切り肉とじゃがいも、玉ねぎ、にんじん、しらたきを、だしと醤油、みりん、砂糖で甘辛く煮含める、日本の家庭の食卓によく上る煮物です。明治期の海軍士官がイギリスのビーフシチューを国内で手に入る材料で再現しようとしたという説があり、とろみのない醤油味の煮物になったのはそのためだとされます。
牛薄切り肉とじゃがいも、玉ねぎ、にんじん、しらたきを、だしと醤油、みりん、砂糖で甘辛く煮含める、日本の家庭の食卓によく上る煮物です。明治期の海軍士官がイギリスのビーフシチューを国内で手に入る材料で再現しようとしたという説があり、とろみのない醤油味の煮物になったのはそのためだとされます。
豆麹を長く熟成させた赤い豆味噌が、煮汁に濃いうま味とほのかな酸味、軽い渋みを与えます。愛知県で味噌煮とも呼ばれ、八丁味噌に代表される豆味噌の文化から生まれた日常の煮物です。大根、にんじん、ごぼう、里芋、こんにゃく、油揚げを一度にたくさん煮る点は同じでも、汁を多めに残して鍋のように食べる家もあれば、煮詰めて煮物にする家もあります。
みずの赤い根元をたたいて包丁で刻み続けると、とろろのように糸を引きます。正式名はウワバミソウで、奥羽・北上の山あいの清流沿いに群生する山菜です。根元の赤みが濃いほど粘りが強く、みずみずしい茎のしゃきっとした歯触りとぬめりも残ります。味噌、みりん、醤油、砂糖で和えた岩手の山のおかずで、春から初夏の柔らかな茎が特に喜ばれます。冷やしてその日のうちに食べます。
湯をかけて臭みを抜いた鯖を、皮目を上にして味噌・みりん・酒・砂糖の煮汁で照りよく煮る定番の家庭料理です。薄切りの生姜を一緒に煮て、残った生臭さを抑えます。
飛騨では、冬に塩漬けしたかぶらの葉が春になって酸っぱくなると、煮干しと醤油、みりん、酒で汁気がほぼなくなるまで煮ました。くもじは宮中で漬物を指した古い言葉に由来するといわれます。水を何度か替えて塩を抜きますが、塩気は少し残しておきます。抜ききると醤油の味しかしなくなるからです。
油をひかずに長ねぎから鍋で焼き、縁に焼き色がついたところへ、醤油、みりん、砂糖、酒を合わせておいた割り下を注ぎます。白菜、しいたけ、焼き豆腐、しらたきは鍋の中で場所を分けて並べ、薄い牛肉は食べる分ずつ入れて、煮えたら引き上げます。
えび、さつまいも、なす、ししとうは同じ油で揚げても火の通る時間がばらばらで、揚がったものから順に引き上げます。衣は冷水と卵に薄力粉を入れて菜箸で数回混ぜただけの、小さなダマが残る状態で使います。
鶏もも肉を皮目からへらで押さえて濃いきつね色に焼き、醤油、みりん、酒、砂糖ににんにくと生姜を合わせたたれを弱火で回しかけながら煮詰めて、照りよく絡めます。
鶏ひき肉をへらで押さえて細かくほぐしながら炒め、細いせん切りの生姜を加えて、醤油、みりん、砂糖の煮汁で煮詰めます。鍋底に煮汁が薄く残るうちに火を止めると、粒の一つひとつに濃い茶色のたれが絡み、肉はしっとりしています。ご飯に広げてのせれば、そぼろ丼になります。
岐阜県郡上では、冬に漬けた白菜漬けが酸っぱく塩辛くなりすぎると、水に浸けて塩気をいくらか抜き、赤味噌の汁で煮直して食べたと伝わります。ねぎ、なす、しいたけ、こんにゃくも一緒に入れ、白菜がくたくたになって汁が少し残るくらいまで、ごく弱火で煮ます。
春のたけのこを割ってゆで、天日で干した三角形のかけらがするめに見えることから、山のするめと呼ばれます。熊本県ではこれを戻して農繁期の食事や球磨地方の祭りの精進料理、酒の肴に使ってきました。濃いだしと薄口しょうゆでじっくり煮たたけのこは柔らかく弾力があり、煮汁がほぼなくなった頃に乾いたまま加えるきくらげが残りのたれを吸って、こりこりした歯応えを添えます。
名前は冷や汁でも、実際はゆでた野菜を冷たいしょうゆ味のだしに浸し、汁ごと食べる米沢のおひたしです。干し貝柱の戻し汁を捨てずにだしにし、凍みこんにゃくと干ししいたけがそのうま味を深く吸い込みます。ほうれん草、キャベツ、もやし、にんじんに、米沢の冬野菜の雪菜が加わり、雪菜だけは歯ごたえを残すようにさっと湯に通します。冷蔵庫で1時間から一晩なじませ、大きな器に具と汁をたっぷり盛ります。
開いて骨を抜いたどじょうとささがきごぼうを甘辛いだしで煮て、溶き卵でふんわりとじる東京の浅い鍋です。丸ごとのどじょうを使う丸鍋と違って開いた身を使い、ごぼうを先に煮て土の香りを汁に移します。食べる直前に粉山椒を振り、汁、ごぼう、どじょう、卵を一緒にすくいます。