炊き込みご飯
炊き込みご飯は米にだし汁、醤油、みりんを加え、野菜やきのこをのせて一緒に炊く日本式の釜飯です。椎茸、にんじん、ごぼうを細く千切りにして浸水した米の上にのせ、通常炊飯で炊くと、だしの旨味と醤油の塩味が米粒一つ一つに染み込みます。炊飯前に具材を混ぜないのがポイントで、そうすることでご飯がふっくらと炊き上がります。蓋を開けるときにきのこやごぼうの香りが立ち上り、一杯だけで日本の家庭料理が持つ素朴な旨みをしっかりと感じることができます。 具材を必要以上に加熱しないことで、本来の歯ざわりが残り、調味料も少しずつ足すと調整しやすくなります。 温かいうちに器へ移すと香りが残り、少し置くと味がなじんで食卓に出しやすくなります。
くちぞこの煮付け
くちぞこの煮付けは、有明海沿岸で親しまれるシタビラメを、酒、しょうゆ、みりん、砂糖を合わせた多めの煮汁で短時間煮る佐賀県の魚料理です。背骨に沿って切り目を入れ、切り目を上にして煮ると、薄い身を崩しにくく、煮汁が均一に入ります。仕上げにしょうがの絞り汁を加え、鍋を傾けて煮汁を何度もかけることで、生臭さを抑えながら表面へつやを付けます。ごぼうも同じ煮汁で煮含めます。くちぞこは火が通りやすいため、長く煮詰めず、厚い部分の温度を確認してすぐ取り出すと柔らかな身を保てます。骨の位置を確かめながら取り分けます。
天ぷら盛り合わせ
天ぷら盛り合わせはエビ、さつまいも、なす、ししとうなど旬の食材に軽くてサクサクの衣をつけて揚げた日本式の揚げ物盛り合わせです。卵と氷水に薄力粉を加え、菜箸で軽く混ぜてダマが残る状態に生地を作るのがポイントで、こうするとグルテンが少なく発生して軽くサクサクの食感になります。170〜180度の油で短時間揚げると食材本来の味が活きながら、外はサクサクと崩れる食感に仕上がります。だし、醤油、みりんを合わせた天つゆに大根おろしを添えてつけて食べると、油っぽさがさっぱりと解消されます。 主な材料はエビ、さつまいも、なす、ししとうです。調味料を入れる順序と火加減を意識して調理すると、天ぷら盛り合わせの食感が安定します。
ナーベーラーンブシー
ナーベーラーンブシーは、若い食用へちま、豚三枚肉、島豆腐を赤みその調味料でしっとり煮る沖縄の夏の家庭料理です。ナーベーラーはへちま、ンブシーは豆腐と野菜をみそで煮る調理法を表します。へちまを弱めの火でゆっくり炒めると、水を加えなくても「ドゥージル」と呼ばれる甘い汁が出ます。その汁へ豚のゆで汁と調味料が合わさり、炒め物より汁が多く、汁物より濃い仕上がりになります。大きくちぎった硬めの島豆腐は形を保ちながら味を含み、火の通ったへちまは柔らかく滑らかな口当たりです。
照り焼きチキン
照り焼きチキンは醤油、みりん、砂糖、酒で作ったソースを塗りながら鶏肉を焼いた日本料理です。皮目を先にフライパンにあてて押さえながら焼くと皮がパリッと仕上がり、裏返して反対側も焼いた後に照り焼きソースを注いで弱火で煮絡めます。ソースが煮詰まりながら鶏肉の表面に艶やかなコーティングが施され、甘くも醤油の深い旨味が肉に染み込みます。にんにくと生姜がほのかな香りを加えて単調さを抑え、ご飯にのせたりサラダと一緒に出すとシンプルながらも満足感のある一食になります。 仕上げ後は主菜や副菜として盛り付けやすく、汁やたれがある場合はご飯にも合わせやすいです。 具材を必要以上に加熱しないことで、本来の歯ざわりが残り、調味料も少しずつ足すと調整しやすくなります。
肉豆腐
肉豆腐は、豆腐を主役に薄切り牛肉と九条ねぎを甘い醤油だしで短く煮る京都の冬の家庭料理です。ミネラルの癖が少ない京都の軟水は、柔らかく澄んだ味の豆腐作りに向くとされます。葉ねぎの王様とも呼ばれる九条ねぎは、葉の内側のぬめり、強い甘み、香りを加えます。京都には丹波牛の古い記録や明治初期のすき焼き店があり、牛肉文化も深く根付きます。薄切り牛肉は先に熱湯へ短く通してあくと余分な脂を減らし、豆腐と甘いだしで10分煮た後、九条ねぎを最後にさっと加熱します。豆腐の形とねぎの新鮮な甘みを残す簡潔な一皿です。
豚骨ラーメン
豚骨ラーメンは、豚の骨を長時間煮込んで濃厚なスープを作る日本の代表的な麺料理です。下茹でした豚の背骨と豚足を、にんにくや生姜とともに強火で7時間から8時間かけて沸騰させながら煮込みます。この継続した強火により、骨から溶け出したコラーゲンと脂質がスープに乳化し、白濁した濃厚で少し粘り気のあるスープに仕上がります。合わせる麺は、この力強いスープに負けないよう、細くてコシのある固めの麺を茹で上げます。トッピングには、醤油とみりんで煮込んで薄切りにした豚バラ肉のチャーシュー、煮汁に漬け込んだ半熟卵、そして刻みねぎを合わせます。スープを煮出す間は絶対に弱火にせず、常に沸騰状態を保つことが、白くコクのある豚骨スープを作る重要なポイントです。
煮味噌
煮味噌は、大根、にんじん、ごぼう、里芋、こんにゃく、油揚げを、濃い赤味噌、みりん、砂糖を溶いただしでゆっくり煮る愛知県の日常料理です。味噌煮とも呼ばれ、八丁味噌に代表される愛知の豆味噌文化から生まれました。豆麹を1年から3年熟成する赤味噌は、濃い旨味、酸味、軽い渋みを持ちます。家庭や季節により、汁を多く残して鍋のように食べる形も、水分を減らして煮物にする形もありますが、根菜を一度にたくさん煮る点は共通します。本手順はごぼう、こんにゃく、油揚げを別々に下ゆでして雑味を抑え、長ねぎを最後に加えて香りを残します。
うな丼
うな丼は、温かいご飯の上に甘辛いタレを塗って焼き上げたうなぎをのせる日本の伝統的な丼物です。調理の前にうなぎのフィレットの余分な水分を拭き取り、常温に少し置いてから焼き始めます。焼く際は皮目を下にしてじっくり火を通すことで、余分な脂を落とし、身をとろけるように柔らかく仕上げます。醤油、みりん、酒、砂糖を煮詰めて作った特製のタレを、焼いている最中に何度も繰り返し重ね塗りすることが調理の要です。これにより、うなぎの表面に艶やかなキャラメル状の層ができ、香ばしさと深いコクが生まれます。最後に温かいご飯へタレを少量回しかけ、焼き上げたうなぎをのせてから、刻んだ小ねぎと山椒の粉をふりかけて仕上げます。山椒特有のピリッとした爽やかな香りが、うなぎの脂のくどさを抑え、味全体を引き締めます。自宅でも本格的な味わいを再現できる、非常に満足感の高い丼物料理です。
煮たくもじ
煮たくもじは、冬に塩漬けしたかぶらの葉が春に酸っぱくなった頃、水へさらして塩気をほどよく抜き、油で炒め、しょうゆ、みりん、酒、煮干し、鷹の爪と汁がなくなるまで煮る岐阜県飛騨地域のおかずです。くもじは宮中で使われた漬物の古い呼び名に由来するといわれ、冬の保存食を捨てず最後まで食べ切る知恵を表します。塩を完全に抜かず少し残すと濃い煮汁と釣り合い、最後にごま油と白ごまを加えて強火で短く煮しめると、香ばしく艶のある仕上がりになります。
焼き鳥
焼き鳥は、一口大に切った鶏もも肉と長ねぎを交互に竹串に刺し、香ばしく焼き上げる日本の串焼き料理です。醤油、みりん、砂糖、酒を煮詰めて作ったタレを、焼きながら何度もハケで塗ることで、表面に艶やかな照りとキャラメル状の層を作ります。食材の間に少し隙間を空けて串に刺すことで、熱が均一に通り、もも肉をふっくらと焼き上げることができます。じっくり火を通すことでねぎの甘みが引き出され、タレの塩気と調和します。また、タレの代わりに塩だけで味付けする塩焼きスタイルもあり、こちらはもも肉本来のジューシーな肉汁と炭火の香りをシンプルに楽しむことができます。お好みや好みの部位に合わせて作り分けられ、熱々の状態で提供されるのが特徴です。
漬物味噌煮
漬物味噌煮は、古くなって酸味と塩気が強くなった白菜漬けを水に浸して塩抜きし、赤味噌、水、酒、みりん、砂糖を合わせた汁で、白ねぎ、なす、しいたけ、こんにゃくとともに弱火で20分から30分煮る岐阜県郡上市の料理です。昔は冬の漬物が酸っぱくなったとき、煮干しのだしで煮直す家庭もありました。一度漬けた白菜を味噌でもう一度煮る二重の調理は、保存食を捨てずに食べ切る山間部の知恵です。赤味噌の角は水、みりん、酒、砂糖で穏やかに整えます。
山するめのきんぴら
山するめのきんぴらは、干したけのこを柔らかくゆで戻し、長さ8cmの均一な千切りにして濃いだしで煮、砂糖、みりん、薄口醤油、酒、塩で味を付け、煮汁が少なくなってから水で戻していない切り干しきくらげを加える熊本県の煮物です。春のたけのこを縦に切り、内側の節を落としてゆで、天日でじっくり乾かすと、三角の姿がするめに見えることから山するめと呼ばれました。一年中保存して戻せるため、農繁期や球磨の祭りの精進料理、日常のおかず、酒の肴に重宝されました。