テンジャンワタリガニ鍋(味噌仕立ての濃厚カニ煮込み)
コチュジャンを使わずテンジャンで煮るため、辛さより香ばしさが先に来て、粉唐辛子と青唐辛子は後ろで辛みを添える程度です。
コチュジャンを使わずテンジャンで煮るため、辛さより香ばしさが先に来て、粉唐辛子と青唐辛子は後ろで辛みを添える程度です。
春が旬のワタリガニは身がぎっしり詰まり、甘みが強くなります。半分に割って殻ごと入れ、粉唐辛子と青唐辛子で辛く煮込みますが、生きている状態に近いカニほどその甘みがよく残ります。
もやしを入れたらすぐ蓋をして、7分間は開けません。こうすると豆臭さが出ないとされてきた昔からのやり方で、その7分を含めても下ごしらえから盛り付けまで15分ほどです。
炒めたファンテ(干しスケトウダラ)で取った白濁した汁にもやしを入れる、お酒を飲んだ翌朝によく作られる汁物です。もやしは蓋をせずに短く煮て、茎のしゃきっとした歯ごたえを残します。
味をほぼ決めるのはキムチです。よく漬かって酸っぱくなったキムチを漬け汁ごと入れると汁が濃いれんが色になり、まだ酸味が足りなければ酢を少し加えて補います。
冬の海藻メセンイは糸のように細く、煮干しだしに入れて箸でほぐすと、数分で汁全体が濃い緑に染まります。長く煮ると香りが弱まるため、火にかけるのは3、4分だけです。
汁の味を決めるのは、甲羅に詰まったカニミソです。そのため胴より先に甲羅を大根と煮て、ミソを汁に溶かしておきます。卓上コンロにかけたまま、煮詰まったら水を少しずつ足して最後まで食べます。
タラやスケトウダラは身がやわらかいので、鍋に入れたら一度も返さず、汁を回しかけて火を通します。そうすると食卓に出すまで切り身の形が崩れません。魚をアサリやエビに替えれば海鮮メウンタンになります。
汁には粉唐辛子もコチュジャンも入りません。煮干しと昆布のだしにしいたけ、ひらたけ、白菜の味が出た澄んだ汁で大きな餃子を煮て、足りない塩気は最後に塩だけで補い、汁の色を濁らせません。残った汁にご飯を入れて締めることもあります。
鍋底に白菜を敷き、キムチ、下ゆでした牛肉、豆腐、えのき、冷凍餃子を色が重ならないようにぐるりと並べ、コチュジャンを溶いた煮干しだしを注ぎます。食卓に出す直前に、えごま油を一滴たらします。
市販の冷凍餃子を解凍せずに沸いた煮干しだしに入れると、5分ほどで浮いてきます。韓国では旧正月にトックの代わりにマンドゥグクを作る家庭も多く、餅を一緒に入れればトッマンドゥグクになります。
コチュジャンの汁でナマズの切り身を煮て、途中で薄くちぎった小麦粉の生地を入れ、魚とスジェビを同じ鍋で食べます。ナマズは切る前に塩で表面のぬめりをよくこすり落とさないと、汁に泥臭さが残ります。
硬い外皮をむいたふきの茎は、テンジャンの汁で煮ると箸で押せばしなるほどやわらかくなります。ふきはあくが強いので、ゆでて冷水に長くさらす下処理を先に済ませないと、えぐみが汁全体に広がります。
ミドドク(小さなホヤの仲間)は硬い皮の中に海水のような汁を抱えていて、噛むと口の中ではじけます。その汁が抜けないよう、へたを切らずに入れて3分だけ煮て、汁は煮干しだしではなく米のとぎ汁にテンジャンを溶いて作ります。統営や巨済など慶尚南道の南海岸では、家庭でよく作られる汁物です。
正方形の小麦粉の生地の片側の2角を合わせると、箕(み)の形になります。山梨県富士川町十谷では、この形が福をすくい集めるとされ、元日の朝や祝いの席にこの汁を出します。生地は別にゆでず、根菜を煮ている汁にじかに入れるので、まわりの粉が溶けて汁に軽いとろみが付きます。
ヤンジ(牛バラ肉)を25分ほど煮ると、澄んだ薄茶色の汁になります。煮えた肉は繊維に沿って裂いて汁に戻すことも、取り出してたれにつけて食べることもあります。
白味噌ならやわらかく甘めに、赤味噌なら濃く塩気のある味噌汁になります。どちらでも、味噌を溶いたら再び煮立てず、火を止めてからわかめとねぎを入れます。
肉もだしも使わず、水だけで煮ます。ごま油で炒めたわかめとテンジャン(韓国味噌)が汁の味を作り、肉の代わりに豆腐が入ります。牛肉のわかめスープより軽く、テンジャンが溶けた汁は少しとろりとしています。
済州では豚の背骨とバラ肉を1時間半煮出したスープにホンダワラを入れ、そば粉でとろみを付けます。冷めるとさらに固くなるため、スプーンからゆっくり流れ落ちるうちに火を止めます。
秋に干しておいた大根の葉を、冬のあいだ少しずつ戻して作ってきた汁です。テンジャンでもんだ葉にえごま粉を大さじ5も溶き入れると、汁はご飯にかけて混ぜられるほどとろりとします。
出汁は別に取りません。沸いた湯にムール貝700gを入れて口が開けば、その煮汁がスープになり、あらかじめテンジャンでもんだ大根の葉から味噌の風味が溶け出します。ぷりっとした貝の身のあいだで、葉の筋がしっかり歯に当たります。
ここに牛肉を入れれば牛肉大根スープ、干しスケトウダラを入れればファンテ大根スープになります。このレシピは何も足さない澄んだ大根スープで、気を配るのは大根を少し厚めに切り、長く煮ても崩れないようにすることくらいです。冬の大根を使うと汁がぐっと甘くなり、翌日温め直すと大根はさらにやわらかくなります。
ムルメギ(ノロゲンゲ)は12月から2月にかけて韓国の東海岸でとれる魚で、身がとてもやわらかく、火が通るとほどけるように汁に溶け込みます。そのため澄んだ汁でも少しとろみが出て、冷めると煮こごりのように固まるほどです。魚を入れたあとは混ぜずに、鍋を揺すります。
小腸やセンマイなど、噛みごたえの違う牛もつをいくつも、白い牛骨スープでまとめて煮ます。粉唐辛子とにんにくで辛くし、たれにテンジャンを大さじ半分混ぜて、もつのにおいをもう一段抑えます。焼酎を合わせる酒の席に出る鍋です。