チョコレートエクレア(カスタード入りシュー菓子)
細長く絞って焼いたシュー皮に、フランスの菓子店でよく使うバニラカスタードではなく、泡立てた生クリームを詰めます。上には溶かしたダークチョコレートを塗って固めます。クリームが軽いぶん、チョコのほろ苦さと皮の香ばしさがはっきり感じられます。卵は一個ずつ加え、つやが出てへらからゆっくり落ちる固さになったところで止めます。
細長く絞って焼いたシュー皮に、フランスの菓子店でよく使うバニラカスタードではなく、泡立てた生クリームを詰めます。上には溶かしたダークチョコレートを塗って固めます。クリームが軽いぶん、チョコのほろ苦さと皮の香ばしさがはっきり感じられます。卵は一個ずつ加え、つやが出てへらからゆっくり落ちる固さになったところで止めます。
蒸したもち米の生地は臼で5分以上力強くつかないと長く伸びる粘りが出ず、つき足りないときな粉をまぶした後にすぐ割れます。炒ったきな粉には砂糖を少し混ぜ、食べる直前にまぶすとふわっとした口当たりが保てます。法事や1歳の誕生祝いの膳によく並ぶ餅です。
スペイン・マヨルカ島のエンサイマダが元になり、フィリピンで独自の甘いブリオッシュに変わりました。生地をひも状にのばして渦巻きにし、マフィン型で焼くと、ふんわり高く膨らみます。仕上げにはバターを塗り、フィリピンでよく使うおろしたチェダーやエダムの代わりに粉パルメザンチーズをふって、甘い生地に軽い塩気を添えます。チーズはパンが完全に冷めてからでないと、しっとり湿ってしまいます。クリスマスの時期によく焼かれますが、コーヒーやホットチョコレートと合わせる朝食パンでもあります。
炒ったもち米とうるち米を挽いた粉に熱い糖液を4、5回に分けて注いで練ると、蒸しもゆでもしないのに柔らかな餅になります。炒り米の香ばしさが残り、中心まで冷めてから片栗粉を付けた包丁で棒状に切ります。
フィリピンではクリスマスの時期、早朝ミサの後に教会の前の屋台で、バナナの葉を敷いた素焼きの器に入れて炭火で焼いて売られます。上下から炭火で同時に焼くので中はしっとり保たれ、バナナの葉が青い香りと底の薄い黒い模様を残します。このレシピでは丸型とオーブンで焼き、途中でのせる塩漬けのアヒルの卵とココナッツの薄切りも使いません。米粉とココナッツミルクの生地は、餅とスポンジケーキの中間のような、少しもっちりしながらもふんわりした食感です。
丸い団子から角切りのさつまいもがごつごつと顔を出し、石垣のように見えます。火山灰に覆われた神奈川の相模原台地では小麦とさつまいもが広く作られ、この団子が畑仕事の合間の間食になりました。さつまいもの一部を生地に混ぜずに残し、表面へ押し付けると石が埋まった模様がはっきりします。
バターをヘーゼルナッツ色になるまで加熱した焦がしバターの香ばしさが、この小さなアーモンドの焼き菓子の味をほぼ決めます。卵白とはちみつが入るため中はしっとり詰まって焼き上がり、縁は濃く色づいて薄くカリッとします。
名前はイタリア語で「半分冷たい」という意味で、口に入れるとアイスより軽く、ムースより冷たく感じます。アイスクリームマシンで混ぜずに型ごと凍らせ、包丁で切り分けます。刻んだピスタチオがところどころで歯に当たります。
コーンスターチでとろみをつけたバニラカスタードをタルト生地に厚く流して焼くので、冷やしてから切っても断面が崩れず、まっすぐ立ちます。パリのパン屋では、表面にキャラメル色の焼き斑が浮いた姿で一切れずつ売られています。
韓国の平たい餅チョルピョンをごま油で焼いて表面に薄い膜を作り、醤油、蜂蜜、砂糖のたれを加えて弱火で2、3分だけ返しながらつやを付けます。たれは焦げやすいため、フライパンの底にシロップがほとんど残らなくなったらすぐ火を止め、ごまと松の実を散らします。
生クリーム、砂糖、はちみつ、バターで煮たキャラメルにスライスアーモンドをからめて小さく落とすと、オーブンの中でキャラメルが再び沸いて広がり、アーモンドがびっしり入った琥珀色の円盤になります。冷めるとガラスのように固まり、かむとパリッと割れたあとでキャラメルがねっとりと残ります。裏には溶かしたダークチョコレートを薄く塗って固めます。
夏の楽しみとされてきたチュンピョンは、うるち米粉を生マッコリ(韓国の濁り酒)でこね、1時間ほど発酵させてから蒸します。蒸し上がりには細かな気泡が詰まり、マッコリの香りとほのかな酸味が残って、もちもちせず軽くほぐれます。部屋が涼しくて発酵が遅いときは、時間より生地の小さな泡を見て判断します。
表面がつるりとつやを帯び、底のまわりにピエと呼ばれるフリルが出ていれば、殻はうまく焼けています。アーモンドプードルとメレンゲの殻は薄くパリッとしたあと中がねっちりとして、2枚の間にはダークチョコレートを混ぜたバタークリームを挟みます。
卵も膨張剤も入れない生地は薄く素朴な皮に焼け、甘さは巻き込んだ黒砂糖だけから来ます。フライパンの上で砂糖が溶け始めたところで巻くため、切り口には溶けた黒砂糖が筋になって見えます。
チェリーやプラムを一層に並べ、卵、牛乳、砂糖に少しの小麦粉を合わせたゆるい生地を、果物の頭がのぞく程度まで流して焼きます。オーブンから出した直後は縁がふくらんで色づいていますが、少し置くとしぼんでカスタードが落ち着きます。温かいうちにすくうと、やわらかい果肉としっとりした中心、焼き色のついた縁がひとさじに収まります。
細かくふんわり削った氷に奈良県産いちごのシロップをかけ、すっきりした甘さが空気を含んだ氷の間にしみ込みます。奈良には710年創建と伝わる氷室神社があり、氷を献じる行事が続いてきました。
小麦粉を少なく、バターとダークチョコレートを多くした配合が、ケーキのようなブラウニーとの違いを生みます。オーブンから出したときは中心が生焼けに見えますが、冷める間に沈んでぎゅっと締まります。くるみやピーカンナッツを加えると歯ざわりが増えます。
じゃがいもと米粉の白い生地にあん入りの生地を重ねて巻いて蒸すと、冷まして切った断面に白とあずき色の渦巻きがくっきり現れます。魚が手に入りにくかった秋田の内陸山間部で、かまぼこに似せて作られた口取り菓子で、正月や冠婚葬祭、運動会で切り分けられてきました。
バターを一枚ずつ塗ったフィロを重ね、セモリナで炊いたカスタードを詰めて焼き、砂糖とはちみつのシロップをかけるギリシャのパイです。セモリナのカスタードには小麦粉で炊いたものより少し粒感があり、レモンの皮が香ります。シロップはぬるく冷ましてから焼きたてのパイに注ぎます。こうすると上のフィロはパリッと残り、シロップを吸った下の層だけがしっとりします。
赤じその葉で一切れずつ包んだ青梅は、冷蔵庫で1か月ほど寝かせる間に葉の赤が果肉へ移り、甘みと酸味が芯まで染みます。埼玉県越生に伝わるやり方で、種を除いた梅はまず砂糖に漬け、赤じそは梅酢に1日漬けてから使います。生の青梅なので、熟成が終わるまで味見はしません。
1月の公現祭のころ、フランスではパイ生地2枚でアーモンドクリームのフランジパーヌを包んだこの菓子を切り分けて食べます。中にはフェーヴという小さな陶器の人形を隠し、それが当たった人はその日の王様や女王様として紙の王冠をかぶります。このレシピではフランジパーヌにラム酒を少し加えます。表面に描いた葉や渦巻きの模様は、卵液と一緒に焼かれてくっきり浮かび上がります。
直径1.5cmほどの白玉を10個、冷たく澄んだ蜜に浮かべます。蜜はざらめに白砂糖を少し足し、薄口しょうゆと塩をごく少量加えて煮てから冷蔵庫で冷やしたものです。白玉もゆでたらすぐ氷水に取るので、器に盛った時から全体が冷たく仕上がります。
韓国の伝統菓子カンジョンに使う炒りポン菓子とごまを、黒砂糖のクッキー生地に混ぜ込みました。小麦粉にもち米粉を少し足すので生地が薄く広がり、かじるとポン菓子ごと軽くほろっと崩れます。
すりおろした大和芋に空気を含ませると、卵も油も使わずに生地がしっとり軽く蒸し上がります。シラス台地で育つ山芋と、奄美や琉球から入る砂糖がそろった鹿児島で根づきました。砂糖が高価だった江戸時代には大名家の菓子で、明治に入って広く出回るようになりました。軽い羹という字のとおり、蒸すと生地よりふんわり軽くなります。ここでは中央にあんを包み、10個に分けて蒸します。