ナスの田楽
半分に切ったなすの断面に甘い味噌だれを薄く塗り、表面だけをさっと焼きます。中はスプーンですくえるほどやわらかく、上の味噌はふつふつと泡立って、ところどころに小さな焼き色がつきます。なすは油をすぐに吸うので、最初に火を通すときは油を多めに使います。
日本料理509品。7/22ページで材料や調理時間を比べられます。 ナスの田楽, いわしのだんご汁(いわしつみれの野菜汁), なすの花ずし.
半分に切ったなすの断面に甘い味噌だれを薄く塗り、表面だけをさっと焼きます。中はスプーンですくえるほどやわらかく、上の味噌はふつふつと泡立って、ところどころに小さな焼き色がつきます。なすは油をすぐに吸うので、最初に火を通すときは油を多めに使います。
いわしの身をすり鉢で粒が見えなくなるまですり、長いもと卵、味噌を混ぜると、粘りのあるだんごの生地になります。だんごに味噌の味がついているので、汁は醤油少しで足ります。
縦半分に切ったなすの間に、甘く味をつけたもち米ご飯と黄色い食用菊、赤唐辛子を重ねていき、切り口には黄色と赤の層が並びます。秋田県南部で正月や祝いの膳に出されてきた漬物で、魚ではなく米を使うことから「すし」と呼ばれます。もち米ご飯に砂糖と塩、酒を混ぜて漬け床にするため、なすには塩辛さより甘めの味が入り、もち米がやわらかく張りつきます。ミョウバン、菊、笹の葉はどれも食用表示のあるものを使い、飾り用の花や正体のわからない葉は入れません。熟成中はずっと4℃で冷蔵し、カビや腐敗臭が出たら食べません。
カレールウを水ではなくだしで溶くため、同じルウでもカレーライスとは違う、和風の香りが残るつゆになります。ルウが溶けるとつゆはソースのように重くなり、太いうどんを持ち上げるたびに一緒に絡んできます。
大根、にんじん、れんこん、干ししいたけ、油揚げ、ごぼう、高野豆腐を三つに分けて別々に火を通し、最後にひとつの合わせ酢で和えます。しゃきっとしたれんこんとごぼう、やわらかい大根、だしを含んだ高野豆腐と、材料ごとに食感が違います。火を通した具はざるに広げ、煮汁が落ちなくなるまで待つと合わせ酢が薄まりません。煮含めた高野豆腐は熱いうちに強く押すと形が崩れ、含んだだしも抜けるので、ざるの上で自然に冷まします。白ごまと細く切ったゆずの皮をのせると、酢の味に香ばしさと柑橘の香りが加わります。
生食用の表示がある市販の馬肉を冷たいまま繊維を断つように薄く切り、しその葉と水にさらした薄切り玉ねぎの上に広げます。すりおろしたにんにくと生姜を添え、甘口醤油につけて食べます。加熱用の馬肉を家庭で冷凍しても代わりにはならず、食べ残した生肉は常温に置いたり再保存したりしません。
炊きたてのうるち米を粒が少し残る程度につき、平たい串に薄く付けて、指で表面に浅い波模様を付けます。くるみとごまをすった赤味噌だれは、このくぼみに引っかかって流れ落ちません。中部の山間で木こりや猟師が山仕事の安全を祈る山の講の前日に作ったもので、今は行楽地のおやつになっています。
古漬けの高菜を水に浸けて塩を抜き、細かく刻んでごま油で炒め、砂糖と醤油で味を整え直します。水に浸けたあとも一切れ味見して、まだかなり塩辛ければさらに浸けます。醤油は半量から入れ、漬物の塩気が強ければ残りを使わなくてもかまいません。
割ると柔らかい皮、あん、ほくほくのいもが三層に分かれて見えるのは、厚めのさつまいもとあんこを一緒に生地で包んで蒸すからです。熊本の菊池地方で秋のいも掘りの頃に間食として作られてきた団子です。
細長くおろした太刀魚の身を竹の棒にらせん状に巻き、醤油と砂糖、酒、しょうが汁のたれを何度も塗りながら炭火で回し焼きにします。身幅をそろえ、縁を少しずつ重ねて巻くと、回してもほどけません。愛媛県宇和島の老舗の魚屋が1987年に考案したと伝わり、手間がかかるため家庭より居酒屋や地元のかまぼこ店で味わう名物になりました。表面が乾くたびに塗り重ねた濃い色の層に、仕上げのみりんで照りを付けます。食べるときは熱い竹から身を抜き、骨が残っていないか見ます。
縁は薄くやわらかく、中央は少し厚く弾力が残るようにのばすので、一切れで二つの食感が味わえます。青森県南部の汁物で、麺のようにのばして切るのではなく、生地を引っぱってちぎる動きが名の由来とされます。休ませた強力粉の生地を、鶏肉、ごぼう、人参の入っただしへ直接ちぎり入れます。
包丁を斜めに入れて割るように切った厚く不ぞろいな大根に甘酒の甘みがしみ込み、芯はシャキッとしたままです。下漬けから保存まで4℃以下の冷蔵で通し、カビ、いやなにおい、異常なぬめりが出たら味見せず全部捨てます。
バターで炒めたキムチは酸味が丸くなって香ばしいこくもつき、しょうゆだけでうどんの味が決まります。キムチを広げて汁気を飛ばし、縁が少し濃い色になると酸っぱさがやわらぎます。半熟卵を崩すと黄身がソースのように麺に絡み、刻みのりと小ねぎが香りを添えます。
ゆでたわけぎとおばいけ(クジラの尾の皮)に、白みそ、砂糖、酢、練りからしで作るもったりした辛子酢みそをかけて冷たくいただきます。ゆでたわけぎは包丁の背で根元から葉先へしごいて中のぬめりを出しておくと、酢みそが水っぽくなりません。
この鍋には水もだしも入りません。日本酒と野菜から出る水分だけで鶏肉、砂肝、豚肉、野菜を煮るもので、広島県東広島市西条の蔵人が酒造りの合間に食べていたのが始まりです。汁気が少ないので素材の味がはっきりし、味付けは各自が塩とこしょうで行います。具材を半量ずつ二回に分けて作るため、二回目の白菜やにらもくたっとしません。
千葉県館山の秋祭り、やわたんまちで神輿を担ぐ人に配られてきたおにぎりで、片手で持てるように大きく握ります。具はかつお節と甘辛く煮た豚ばら肉と油揚げです。煮汁もご飯に混ぜるため、汁気が少なくなるまで煮詰めておきます。一度に二十個できる分量です。
つわぶきの葉柄は、外皮を長く引いてむき、冷水に20〜30分さらして渋みを抜き、ゆでてからようやく炒め物に使えます。手間に比べて炒める時間は短く、油揚げと醤油、砂糖で甘辛く仕上げます。
寒天で固めたいも羊羹は、包丁を入れると角がきれいに立ち、口の中ではきめの細かいいもがやわらかくほどけます。ゆでたさつまいもは熱いうちに細かい裏ごし器で押し通すと、粗い繊維が取り除かれてなめらかになります。
春から初夏に北海道沿岸で獲れるトキシラズは、産卵前の若い鮭なので秋鮭より身全体に脂がのっています。醤油と酒に半日ほど漬け、焼きながら煮立てた漬け汁を塗ると、表面に照りが出ます。北海道では6月の神宮祭に赤飯とともに並べた家庭のごちそうで、ご飯のおかずにも酒の肴にも合います。トキシラズが手に入らなければ、脂がほどよい生鮭の切り身で作ります。
静岡の漁村では、生のかつおを味噌と梅干しと一緒にたたき、氷水でのばして夏に食べます。加熱しない料理なので生食用のかつおを使い、小さな身が残る程度に粗くたたいて、混ぜたらすぐに食べ切ります。
霜に当たってやわらかくなった野沢菜を丸ごと樽に重ね、塩、昆布、唐辛子とともに重石で押し、上がってきた自らの漬け汁の中で寒さのうちに乳酸発酵させます。長野県野沢温泉村の冷涼な高地で、根よりも葉と茎が大きく育つ菜で、冬に青菜を食べるための大事な保存法でした。二、三週間で食べ始め、ひと月ほどで酸味とうま味が増します。40kgを一度に漬け、足で踏んで重石を扱うため、二人がかりの大仕事です。
ごま油で炒めた酸っぱいキムチを鶏がらスープで煮出し、味噌としょうゆで仕上げます。キムチを先に炒めておくと尖った酸味が落ち着き、味噌のまろやかさとけんかしません。
さっとゆでたせりとほうれんそうを、冷やした出汁しょうゆに8〜12時間浸し、中まで出汁の味をしみ込ませます。たれで和えるのではなく、出汁、みりん、薄口しょうゆを合わせた浸し地で味をつけるため、青菜の香りがそのまま生きます。二つの青菜を別々にゆでるのは、柔らかいほうれんそうに火が入りすぎず、せりの茎の歯切れを残すためです。ねじって絞ると茎がつぶれて浸し地が均一にしみないので、向きをそろえて手のひらで押して水気を切ります。黒田せりが手に入らなければ、韓国のミナリ(せり)で代用します。
ぶりを煮すぎずに大根までやわらかくするには、大根の下ゆでが要になります。縁が半透明になるまでゆでて中心をやわらかくしておけば、ぶりを長く煮なくても大根に箸がすっと通ります。ぶりは熱湯を回しかけて表面が白くなったら水気を拭き取り、煮ている間は煮汁をかけて皮を乾かさないようにします。いちばん厚い切り身の中心が63℃以上になり、煮汁が半分ほどに煮詰まったら火を止めます。