揚げ出し豆腐
片栗粉をまとわせて揚げた豆腐は、温かいつゆを張った瞬間から表面がつゆを吸い始めます。縁がとろりと柔らかくなっても、中央はまだカリッとしています。その差が続くのは短い間で、揚げたらすぐ器に盛って出します。
片栗粉をまとわせて揚げた豆腐は、温かいつゆを張った瞬間から表面がつゆを吸い始めます。縁がとろりと柔らかくなっても、中央はまだカリッとしています。その差が続くのは短い間で、揚げたらすぐ器に盛って出します。
牛乳、卵、バター入りのふんわりした生地で餡をたっぷり包んで焼きます。1874年に東京銀座の木村屋が、西洋のパンと和菓子の餡を組み合わせて生み出したのが始まりとされます。綿のように裂ける生地の中に餡が詰まり、この配合では上に黒ごまを散らします。
塩で水分を抜いて身を締めたサバを、昆布を入れた米酢に短く漬けると、表面は白く締まり、中心にはサバらしい桃色と脂が残ります。この桃色の中心は生に近い状態です。酢と塩ではアニサキスは死なず、生食用表示と寄生虫対策の冷凍履歴がある切り身でなければ作れません。解凍から提供まで4度以下に保ち、えごまの葉を敷いて針しょうがを添え、その日のうちに食べ切ります。
名前は野菜の浅漬けのようですが、秋田のこの料理で器を満たすのは、砂糖と酢で甘酸っぱく仕上げた冷たい米の生地です。浸水させたうるち米を粒が少し残るようにすりつぶすため、つぶつぶした舌触りが残ります。きゅうりとかぶは生地が完全に冷めてから混ぜると歯ざわりが保たれ、季節の果物はいちばん上にのせます。
北インドの家庭で、平日の夕食にダールやご飯と並ぶじゃがいものおかずで、メティ(フェヌグリークの葉)がほろ苦さを加えます。生のメティは土っぽい強い苦みがありますが、熱いフライパンに入るとやわらぎます。葉を入れるのは、じゃがいもをクミン、ターメリック、唐辛子と蓋をして火を通した後です。生の葉が手に入らなければ、乾燥のカスリメティを手でもんで最後に加えます。
たこ焼き器の穴ごとに、たこと一緒に刻んだキムチと小ねぎを入れます。上にはいつもどおりソースとマヨネーズ、かつお節をのせますが、中からキムチの酸味と辛みが顔を出します。
引っぱっても、もち米だけの餅のように長く伸びず、ぷつりと切れます。小麦粉の生地をもち米と同じせいろで蒸し、熱いうちに一緒につくからです。大阪の中河内や南河内では、田植えを終えた半夏生のころにこの餅を作って感謝と豊作の願いを込め、砂糖を混ぜたきな粉を全面にまぶしてきました。
マンゴー、ヨーグルト、牛乳をあらかじめ冷やしておくと、氷が少しでも濃く冷たいラッシーになり、氷が溶けて薄まることもありません。はちみつはマンゴーを味見してから加えます。とても甘いマンゴーなら少なめで足ります。カルダモンパウダー小さじ1/4は省かないでください。この香りがあるから、マンゴースムージーではなくラッシーの味になります。
鳥取でアゴと呼ぶトビウオを使うちくわは、スケトウダラ主体の一般的なちくわより焼き色が濃く、包丁を入れると音がするほど皮が締まります。手でちぎって酒の肴にするほか、汁物や煮物の具にも使います。
甘く煮た小豆と紅白の白玉団子を塩味の澄まし汁に入れ、一杯の中で甘さと塩気を一緒に味わいます。山口のいとこ煮は地域ごとに汁や具が異なり、このレシピは萩の澄まし汁の形にならっています。白い団子に赤く染めた団子を添えるのは、お祝いの席の取り合わせから来ています。
名前に「フライ」と付いても油で揚げることはありません。埼玉県行田の軽食で、水で溶いた小麦粉生地を薄く油をひいたフライパンに直径20cmに広げ、ねぎと薄い豚肉をのせて、鍋ぶたで何度も押さえながら焼きます。生地に焼き色の斑点が出たらソースを塗り、熱いうちに食べます。
薄切りのきゅうり、なす、れんこん、にんじんに、きくらげの弾力としそ、生姜の香りが加わり、ひと口ごとに食感が変わります。硬いれんこんとにんじんは短くゆで、柔らかくなりやすいきゅうりとなすは塩でもむというように、野菜ごとに下ごしらえが違います。赤唐辛子を入れて一度沸かした甘酢は室温まで冷まして使い、温かいうちに野菜を入れるときゅうりとれんこんのシャキッとした感じが失われます。塩もみしたきゅうりとなすは、すすいだ後に手で押して水気を切っておくと甘酢が薄まりません。冷蔵庫で30分置けば、漬け汁ごと冷たい小鉢として出せます。
スープがない分、丼の底の醤油、ごま油、オイスターソースのたれが麺に直接絡み、薄まらない濃い味がそのまま舌に届きます。少量の酢が油っぽさを抑え、途中で重く感じたら底からもう一度混ぜます。
四川のしびれる辛さを持つマーラーソースを生クリームと牛乳、パルミジャーノで包み、舌のしびれは残しつつ刺激はやわらいでいます。鶏もも肉は強火で焼き色をつけてからマーラーソースをからめるため、ソースより先に肉に香りが移ります。マーラーソースは製品によって塩分の差が大きく、大さじ1から始めて最後の味付けはクリームを加えた後に行います。ゆで汁は少しずつ加えるとクリームが分離しにくく、ソースがフライパンの底にたまらずフジッリのらせんの溝に絡んだら完成です。
赤だつ(赤い里芋の茎)をゆでて酢とみりんの合わせ酢に浸けると、冷蔵庫で冷やすうちに赤い色が全体に鮮やかに広がります。外皮と硬い筋を上から下へ残さずむき、塩でもんでおかないと、和えたあとも筋っぽく、えぐみが舌に当たります。茎はしなりながらも、かむと中心が軽くシャキッとします。この食感は、合わせ酢を煮立ててみりんのアルコールを飛ばし、完全に冷ましてから和えることで保たれ、熱いうちに合わせると茎に火が入りすぎます。酢はみりんのおよそ倍量で、甘さより酸味が先に立つ一品です。
日光の湯波は豆乳の膜を中央から引き上げて二枚重ねにするため厚みと波打つ表面があり、それを棒状に巻いて揚げ、乾かして揚げまき湯波にします。甘めのだしでゆっくり煮含め、火を止めた後も煮汁に浸したまま冷ますと中まで味が入ります。
バターを一枚ずつ塗ったフィロ生地の間に、シナモンを混ぜたくるみとピスタチオを二層に挟んで焼く、トルコや中東の菓子です。焼き上がりにかけたはちみつシロップが数時間かけて染み込み、上はさくさく、下はしっとりした食感に分かれます。甘さがはっきりしているので小さなひし形に切り、砂糖を入れないトルココーヒーや苦めのお茶と合わせます。密閉して常温に置けば一週間以上もち、地域によってはシロップにローズウォーターやオレンジフラワーウォーターを加えます。
少なめのご飯に、裂いた鶏肉、錦糸卵、煮しいたけ、パパイヤの味噌漬けなどの具を好きなだけのせ、熱い鶏がらスープをたっぷり注いでさらさらと食べます。奄美では、はじめは鶏の炊き込みご飯に近い形で、スープをかける今の形は昭和以降に広まりました。スープは鶏がらを生姜と一時間煮て取り、ささみも同じスープでゆでて裂くので、具と汁の味がつながります。
名前はベトナム語で「揺らす牛肉」の意味で、熱した中華鍋を振ってサーロインのキューブを各面すばやく焼くところから来ています。フランス統治時代のサイゴンに西洋の牛肉が入り、ベトナムの味付けと調理法が加わって生まれました。オイスターソースと醤油、にんにくで下味をつけた肉の表面が濃い茶色に焼けたら、バターで炒めておいた玉ねぎを戻し、ライムを搾って仕上げます。
コンビニのカップトッポッキを家で作るやり方で、コチュジャンに麻辣ソースを足して舌がしびれる辛さにします。辛さを上げたいなら粉唐辛子を、しびれを強めたいなら麻辣ソースを増やします。ただ、麻辣ソースは製品によって塩気がかなり違うため、最初は大さじ1から入れます。
食用の灰汁に一日浸けたもち米を竹の皮で包み、3時間ほど茹でると、米粒の形はすっかり消え、つやのある琥珀色のゼリーのような塊になります。生地自体は甘くなく、切ってきな粉を添えます。灰汁水は食品調理用として売られているものだけを使い、素手で長く触れないようにします。
マサラチャイでは、紅茶より先にスパイスを鍋に入れます。つぶした生姜、シナモン、カルダモンを水で煮て香りを出してから茶葉と牛乳を加え、煮立ったらこしてカップに注ぎます。茶葉を長く煮るほど濃くなりますが、そのぶん渋みも出ます。
あけびは白い果肉と種をかき出し、ほろ苦い厚い皮を器にして、舞茸としめじ、茗荷の味噌だねを詰めます。だねは汁気がほとんどなくなるまで炒り煮にし、しっかり冷まさないと詰めにくく、糸で口を縛りにくくなります。
名前に茶が入っていますが鍋に茶葉は入らず、ふつうは濃い中国茶を添えて飲みます。澄んだスープなのに、すくうとまずつぶした粒胡椒の辛い香りが立ち、やわらかく煮えた丸ごとのにんにくはスプーンでつぶして食べます。