じゃこごうこ
晩夏から秋にかけて糠に二、三か月漬け込んだ大阪府泉州の水なすの古漬けを、塩抜きして下ゆでし、えびじゃこと生姜で汁気が少なくなるまで炊いたものです。じゃこは小えび、ごうこは漬物を指します。塩抜きしても漬物の塩気と発酵の香りは消しきらず、柔らかくなったなすにだしと醤油、えびのうま味が戻ります。
晩夏から秋にかけて糠に二、三か月漬け込んだ大阪府泉州の水なすの古漬けを、塩抜きして下ゆでし、えびじゃこと生姜で汁気が少なくなるまで炊いたものです。じゃこは小えび、ごうこは漬物を指します。塩抜きしても漬物の塩気と発酵の香りは消しきらず、柔らかくなったなすにだしと醤油、えびのうま味が戻ります。
ウスターソースがベースの焼きそばソースが甘辛く麺にからみ、熱々の皿にのせたかつお節が湯気でゆらゆら動いて香ばしさを足します。市販の焼きそば用麺はゆでずに軽く温めてほぐすだけにして、フライパンでもべたつかない、炒め麺らしい弾力のある仕上がりにします。キャベツ、玉ねぎ、にんじんは強火で手早く炒め、シャキッとした食感のまま仕上げます。ソースを最後にフライパンの縁から回し入れるのもその食感を守るためで、手早く混ぜると麺の一本一本に均一にからみます。
老抽で濃い茶色に煮た中国風の牛すね肉を、煮汁に浸けたまま冷やし固め、繊維を断つように薄く切って出します。八角は2個だけにして、香りが牛肉の味を覆わない程度にとどめます。
バターを塗って焼いたホットドッグバンズに、ソースで炒めた焼きそばをたっぷり挟みます。やわらかいパンと甘辛い麺を一緒に頬張る、炭水化物どうしの組み合わせです。野菜はしんなりする前に火を止めるため、パンと艶のある麺の間にシャキッとした歯ざわりが残ります。仕上げのパセリが濃いソースに彩りを添えます。
薄切りの鴨肉に小麦粉をたっぷりまぶして煮ると、粉が肉を守りながら煮汁にとろみをつけます。石川県金沢では、すだれ麩、里芋、しいたけ、花麩を同じだしで別々に煮含め、ゆでたほうれん草とともに鴨と盛り合わせ、生わさびをのせて甘辛い煮汁を引き締めます。
ライム果汁、ナンプラー、パームシュガーのドレッシングは酸味と塩気が立ち、ほんのり甘く、細い緑豆春雨とエビ、セロリ、紫玉ねぎになじみます。日本の春雨サラダより酸味と香りが強く、パクチーは最後に加えて葉をつぶさずに香りを残します。韓国のチャプチェ用のさつまいも春雨は太さが違い、戻し時間もゆで時間も同じにはなりません。
ヨーグルトにひよこ豆粉を溶いて煮た淡い黄色のスープは、酸味があってなめらかにとろみがつき、そこに玉ねぎ入りのひよこ豆粉の揚げ団子(パコラ)が沈んでいます。材料が少なくて済むのは、同じ粉が揚げ衣とスープのとろみを兼ねるからです。
のせる具はゆでたチンゲン菜と小ねぎしかなく、味は澄んだ鶏がらスープと麺のコシでほぼ決まります。仕上げの白胡椒とごま油数滴が、素朴なスープに香りを立たせます。上海の朝食や軽い食事にさっと作れる麺です。
鹿児島でとんこつといえば、骨付きの豚スペアリブの煮物を指します。芋焼酎と黒砂糖、麦味噌で肉が骨から外れるまで煮込み、同じ鍋の大根、ごぼう、こんにゃくも甘辛い煮汁を含みます。
柚子茶のシロップとレモン汁が醤油とつゆの塩気を軽くし、つゆだけの冷やしうどんより果物の香りがはっきりします。たれは水220mlで濃さを決めてあるので、麺の間に残ったすすぎ水がそのまま味を薄めます。刻みのりとごまはたれに触れると湿気るため、食べる直前にのせます。
ナンプラーで味を付けた卵を泡立つまで強く溶き、煙が出る寸前の油に一気に流すと、一瞬で膨らんで縁はレースのようにカリカリ、中はふっくら厚みのある塊になります。弱火でやさしく焼く西洋のオムレツとは違い、タイの家庭ではこれをジャスミンライスにのせてすぐ食べます。
めんつゆに柚子茶を溶かした冷たいつけ汁で、ほんのり甘く香りのよいざるそばになります。柚子茶のかたまりが残ると、ひと口ごとに甘さがぶれます。麺に残った水は、つけるたびに汁を薄めていきます。大根おろしとねぎ、わさびは最初から混ぜず、食べながら少しずつ加えて味を変えます。
琴の糸を支える琴柱のように規則正しく枝分かれすることから、コトジツノマタという名が付いた海藻を使います。千葉県銚子・九十九里沿岸ではこれを煮溶かして冷やし固め、固まる力が強いため、かつては糊としても使われました。年末に商人が正月用に売り歩いたことから、味の濃いおせちの合間に食べるさっぱりした一品として定着しました。塩をわずかに加えるだけなので磯の香りと薄い塩気が残り、そのままでも、醤油やかつお節、ねぎを添えても食べられます。
水を加えずにチュンジャン(中国風の黒い味噌)と豚ひき肉を煮詰めたこってりしたたれを、生麺にのせて混ぜます。水分がないぶん鍋底に焦げ付きやすく、弱火で混ぜ続けながら煮詰めます。チュンジャンを先に炒めると、生の強いにおいが抜けてつやが出ます。細切りのきゅうりが、塩気の強いたれを冷たく受け止めます。
箸を当てるだけで繊維に沿ってほぐれる角煮は、厚切りの豚バラ肉を醤油、みりん、しょうがに入れ、ごく弱火で脂身まで半透明になるまで煮たものです。一晩冷まして固まった脂を取り除いてから温め直すと煮汁がすっきりし、食べるときは和からしを少し添えます。
神奈川県津久井のかんこ焼きは、小豆や切り干し大根、きのこ、漬物を包むこともありますが、ここでは皮ごとつぶしたかぼちゃを詰めます。油をひかないフライパンでところどころ焼き色をつけてから蒸すので、焼き目の残ったふっくらした姿に仕上がります。
宮崎県北部の山間、とくに高千穂では竹をかっぽと呼び、若い青竹の節の間に地鶏、ごぼう、しいたけ、にんじん、にら、にんにくを詰めて炭火にかけると、具が自らの水分で蒸されて竹の香りをまといます。炎を上げず、おこった炭で屋外で焼き、竹は割れがなく薬剤処理をしていない調理用のものを使います。
醤油とみりん、生姜汁、にんにくに漬けた鶏もも肉なので、衣よりも肉そのものに味が入っています。片栗粉を薄くまぶして二度揚げするため、冷めても衣がカリッとしています。
麦味噌に粉からしを混ぜた辛い味噌をれんこんの穴一つひとつに押し込み、ターメリックで黄色くした衣をつけて丸ごと揚げます。熊本県の料理で、輪切りにすると黄色い縁の内側で、どの穴にもからし味噌が詰まっています。
牛すね肉のゆで汁にピーナッツバターを溶いたソースは香ばしくまろやかで、それ自体の塩気はごく控えめです。そのためフィリピンでは、塩辛く発酵の香りが強いエビの塩辛バゴオンを添え、好みでのせて食べるのが伝統です。
水生地で油生地を包み、二度のばして巻くと、切り口に渦巻きの層が現れます。このマレーシアのカレーパフには、水気がほぼなくなるまでカレー味で煮た鶏肉、さつまいも、じゃがいもと、分けたゆで卵を包みます。揚げると層が開いてさくっと崩れ、渦の面を外側にすると模様がはっきり見えます。
渋いアラカシのどんぐりは、木綿袋に入れて二日ほど流水にさらし、ようやく豆腐にできる状態になります。高知県安芸市南部に残るどんぐり豆腐で、かし豆腐とも呼ばれ、耕作に向かない山間で飢えをしのぐ食べ物でした。手間のかかる下ごしらえは、家に残るお年寄りの仕事になることが多かったといいます。かつては高知全域で食べられましたが、今は安芸以外ではほとんど見られません。固まった豆腐には、葉にんにく、ごま、味噌、米酢のぬたを添えます。
食パンの片面にとんかつソース、もう片面にマヨネーズを塗り分け、厚いとんかつと細い千切りキャベツを挟みます。キャベツの水気はしっかり切っておかないと、パンが湿ってしまいます。
細かいパン粉で硬めに揚げた厚いとんかつを、ふんわりした食パンで挟むので、かじるとカリッとした衣と柔らかいパンが一緒に口に入ります。パンにはとんかつソースを塗り、千切りキャベツはマヨネーズであえて挟み、ラップでしっかり包んで少し置いてから切ります。