カヤトースト(シンガポール風ココナッツジャムトースト)
カリッと焼いた薄い食パンに、ココナッツと卵、パンダンリーフで作る淡い緑色のカヤジャムと、冷たく薄切りにしたバターをはさみます。熱いパンの温度でバターが中心からゆっくり溶け、花のような香りのジャムの甘さにバターのコクが重なります。シンガポールのコピティアムでは、醤油とこしょうをかけた半熟卵に浸して食べ、練乳入りの濃いコーヒーと合わせるのが朝の定番です。
カリッと焼いた薄い食パンに、ココナッツと卵、パンダンリーフで作る淡い緑色のカヤジャムと、冷たく薄切りにしたバターをはさみます。熱いパンの温度でバターが中心からゆっくり溶け、花のような香りのジャムの甘さにバターのコクが重なります。シンガポールのコピティアムでは、醤油とこしょうをかけた半熟卵に浸して食べ、練乳入りの濃いコーヒーと合わせるのが朝の定番です。
汁気はほとんどなく、しっとりまとまったラムのひき肉をスプーンですくってナンやチャパティにのせるドライなカレーで、最後に加えるグリーンピースが噛むとぷちっとはじけます。
豆腐は手で大きめに崩して入れるので、醤油と酒で煮詰めた大根やにんじんの間に、ごろっとした塊のまま残ります。山口県では大鍋でたっぷり作って温め直しながら食べてきた料理で、今も学校給食に出てきます。
野沢菜漬け、生の大根、大根の味噌漬けを同じくらい細かく刻んで水気を絞り、炒りごまと合わせて、食べる直前に納豆を混ぜます。新潟県魚沼地方の惣菜で、きりは切る、ざいは野菜を指します。戦国時代に武士が携えた食料だったという記録も残っています。
カンプンギは、皿にたれがたまるような料理ではありません。二度揚げした鶏もも肉を、にんにくと赤唐辛子、醤油、酢、砂糖のたれに強火でさっと転がすので、たれはカリッとした衣に薄くからむだけです。
皮を引いた鯉の身を42℃前後の湯にくぐらせてから氷水に取ると、火は通らないまま表面の脂と臭みが抜け、こりっと締まります。安積疏水で鯉の養殖が広がった福島県郡山では、ふぐ刺しの倍ほどの厚さに切った洗いを婚礼や正月、来客の席に出し、からし酢味噌で食べます。
小松菜と絹ごし豆腐を一皿に盛って一緒に蒸し、温かいだし醤油にごま油とごまを合わせてかけます。葉がしんなりして茎が少ししなったところで取り出すと、緑が鮮やかに残ります。
生食用のバイ貝を重ならないように並べ、酢水で拭いた真昆布で挟み、手のひらで空気を押し出してからラップで包んで冷蔵庫で一晩置きます。酢も昆布も寄生虫や細菌をなくすわけではないので、殻を割るところから食べるまで4度以下を保ちます。
切り口には、やわらかく煮えた昆布が身欠きにしんを巻き込んだ渦が見え、甘辛い煮汁が層の間までしみています。北海道日高地方の料理で、昆布が「よろこぶ」に通じることから、おせちや祝い事に並びます。
外側には藁の筋が残り、中は崩した豆腐が再び固まるときにできた小さなすき間に甘辛い醤油の煮汁がたまっています。なめらかな煮豆腐と違って断面が粗く、そのすき間が一晩寝かせる間に味を吸い込みます。茨城県中央部では肉が手に入りにくかった頃、村人が藁を持ち寄って大鍋で作り、婚礼や葬儀の膳に出しました。
凍み豆腐の細かな穴が甘辛いだしをほとんど吸い込み、そこへ卵がふんわりかぶさります。煮汁をほぼ飛ばすぶん、しっとり感はゆでた青菜とやわらかく固まった卵が受け持ちます。福島では阿武隈高地や吾妻おろしの寒風で薄い豆腐を干す凍み文化があり、できた豆腐を煮物や汁物、雑煮に使ってきました。かつては11月に農作業が終わると、豆腐を藁やすだれで包み、寒風に約2週間つるしました。青菜は地元の信夫菜を使い、手に入らなければ小松菜にします。
つぶしたじゃがいもに炒めた牛ひき肉と玉ねぎを混ぜて小判形にまとめ、パン粉をつけて揚げます。外はきつね色にサクッと、中はじゃがいものほくほく感がそのまま残り、クリームコロッケより素朴で食べごたえがあります。ウスターソースやとんかつソースをかけて食べ、肉屋や総菜店の揚げたてを買い食いする楽しみもあります。カレー、カニクリーム、かぼちゃなど、中身を変えた種類も豊富です。
高野豆腐を作る過程で出る細かな粉が、だしを一気に吸ってほろほろとまとまります。兵庫県多可町の家庭の煮物で、鶏肉と根菜、こんにゃく、ちくわ、油揚げを小さくそろえるため、ひと匙にいろいろな具が入ります。
有明海沿岸で「くちぞこ」と呼ばれる舌平目を、酒、醤油、みりん、砂糖をたっぷり合わせた煮汁で短く強く煮ます。身が薄くすぐ火が通るので、じっくり煮る煮魚とは違い、火が通ったらすぐ引き上げると身がふっくらします。魚を出したあとの煮汁でごぼうを煮て添えます。
薄く切った牛肉を竹串に刺し、ゆるい衣と細かいパン粉をつけて揚げる、大阪・新世界の串揚げです。大正末期から昭和初期、労働者が安く手早く腹を満たせるよう、硬い部位の薄い牛肉に厚い衣をつけたのが始まりという説があります。店では共用のソースに串を一度だけつける、二度づけ禁止の決まりがあります。
乾燥させた里芋の葉をココナッツミルクでじっくり煮詰め、葉がクリームのようにとろけて表面にうっすら油が浮く、フィリピン・ビコール地方のおかずです。生の葉ではなく完全に乾いた葉を使うのは、生葉に残る成分が口の中をちくちくさせるためです。味が濃いので少しずつすくい、温かいご飯をたっぷり添えて食べます。
煮えたチャナダール(割ったひよこ豆)から出るでんぷんが汁をスプーンですくえるほどのとろみにし、角切りの夕顔が水分とやさしい甘みを足します。チャナダールの香ばしい粒が少し残った状態で、温かいうちにご飯にかけるか、薄焼きパンですくって食べます。
揚げた夕顔の団子がトマトと玉ねぎのソースを吸い、野菜だけのカレーになります。団子は水気を絞ったすりおろし夕顔にひよこ豆粉とスパイスを合わせて作ります。ターメリック、チリパウダー、ガラムマサラは半分ずつ生地とソースに使い、団子とソースが同じ香りでつながります。
生地の水分をすべてすりおろした夕顔から取るグジャラート地方の薄焼きパンで、汁も果肉も捨てずに全粒粉をこねます。最初は固く見えても夕顔から水分が出続けるので、そこで水を足すと休ませる間に生地がだれます。
握りこぶしほどの豚肉団子4個を白菜の上にのせ、淡い醤油味のスープでゆっくり煮ます。揚げないぶん、表面までしっとり柔らかく仕上がります。鍋底に敷いた白菜は肉団子が直火に当たるのを防ぎ、肉汁を吸ってとろりと煮えます。
豚ひき肉のあんを指の長さほどに細く巻いて揚げるフィリピンの春巻きで、誕生日会や祝祭日の食卓、町の祭りには欠かせません。低めの温度と高温の二度揚げにするため冷めてもパリッとした状態が長く続き、集まりの前にまとめて揚げて大皿に積んでおいても大丈夫です。
じゃがいもとパニール(インドのフレッシュチーズ)を合わせて揚げた団子がトマトと生クリームのグレービーに沈み、肉を使わずに北インドの祝いの席の主菜を務めます。カシューナッツのペーストが、生クリームだけでは出ないナッツのこくととろみをソースに加え、ガラムマサラの香りはあっても辛さはほとんどありません。
福島の正月料理で、平たく硬めの青ばた豆と、ぷちぷちと切れる数の子を冷たいかつおだしとめんつゆに一緒に漬けます。数の子はそのまま食べられると表示された塩数の子を一日から二日冷水につけて塩を抜きますが、真水のようになるまでは抜かず、ほのかな塩気を残します。
ココナッツミルクとマンゴーチャツネを加えてから5〜7分煮るだけのえびカレーで、えびが固くなる暇がありません。ライム汁とパクチーをのせ、ご飯やナンに添えます。