イーヤチ
もち米ともちあわ、小豆を一つの鍋でゆで、熱いうちに木べらで練ると、砂糖なしでも粒同士がつながって丸く形がまとまります。竹富島の種子取祭の間に用意して食べてきた餅と伝わります。芭蕉の葉で包んで蒸すため、葉の香りが餅に移ります。粒が一部残り、つるりとした餅よりも穀物らしい歯ごたえです。
日本料理509品。9/22ページで材料や調理時間を比べられます。 イーヤチ, じり焼き, 骨かじり.
もち米ともちあわ、小豆を一つの鍋でゆで、熱いうちに木べらで練ると、砂糖なしでも粒同士がつながって丸く形がまとまります。竹富島の種子取祭の間に用意して食べてきた餅と伝わります。芭蕉の葉で包んで蒸すため、葉の香りが餅に移ります。粒が一部残り、つるりとした餅よりも穀物らしい歯ごたえです。
卵も膨張剤も入れない生地は薄く素朴な皮に焼け、甘さは巻き込んだ黒砂糖だけから来ます。フライパンの上で砂糖が溶け始めたところで巻くため、切り口には溶けた黒砂糖が筋になって見えます。
大きな骨を手に持ち、周りの肉をかじって食べる料理です。熊本県奥球磨地方の猟師が、獲物を解体したあとに残った骨の肉まで食べたのが始まりと伝わります。今は猪の代わりに肉付きの豚のあばら骨と背骨を使い、人が集まる地域の行事で大鍋で煮て分け合います。
なすと赤しその葉、塩だけで常温発酵させるため、色が染まったことではなく、はっきりした酸味が出たことで仕上がりを見極めます。塩はなすの重さだけで量り、初日に上がった濃い茶色の水だけを捨てて、その後の漬け汁にはなすを沈めたままにします。
スープを使わず、熱い太麺にラー油で炒めた醤油味の豚ひき肉、ニラ、ねぎ、魚粉、卵黄をのせて底から混ぜます。麺は冷水で締めないので、熱いうちに具と卵黄がからみます。肉そぼろの汁気が残ると器の底に水がたまり、混ぜても味が均一になりません。具は一か所に偏らないよう麺の上に丸く並べ、混ぜたときに味が片寄らないようにします。魚粉と刻みのりが、汁のない一杯にうま味と磯の香りを足します。
豆腐を油を使わずに炒って水分を飛ばすとぽろぽろの粒になり、だしで煮た干ししいたけ、にんじん、ごぼう、こんにゃくの間に散らして酢の調味料で和えます。豆腐は野菜を包まず、粒のまま野菜のあいだに混ざります。
すくうとなめらかに揺れますが、甘みはなく、だしの味が前に出ます。卵にたっぷりのだしを合わせて器ごと蒸すため、縁は固まり、中心はやわらかく揺れる状態に仕上がります。えび、しいたけ、銀杏が底に沈んでいて、すくうたびに違う具が出てきます。
豊川稲荷の門前町が発祥地の一つに挙げられ、名古屋風はご飯をたっぷり詰めて口を開けたままにすることもあります。甘辛く煮た油揚げは温かいまま詰めると酢飯が煮汁を吸いすぎて重くなるため、しっかり冷ましてから使います。
細かくふんわり削った氷に奈良県産いちごのシロップをかけ、すっきりした甘さが空気を含んだ氷の間にしみ込みます。奈良には710年創建と伝わる氷室神社があり、氷を献じる行事が続いてきました。
シャキッとしたミズの茎とさばいたばかりのホヤを冷たい塩味の昆布だしに浮かべ、津軽では北国の短い夏に旬を迎える二つの素材をこうして合わせてきました。生の魚介を使うので食べる直前に盛り、残りは保存しません。
塩だけで漬けたすぐきを約40℃の室で14日ほど温め、乳酸発酵させると、塩辛いだけだった葉と根にはっきりした酸味が生まれます。この室入れは温度と衛生を管理できる専用の発酵室が前提で、普通の室温や温度が上下する場所では代わりになりません。温める前に、かさの減った葉と根が漬け汁の下で安定して押さえられていることが条件です。根の甘みが増す冬が本来の漬け時で、仕上がりはご飯やお茶漬け、酒の肴に少量ずつ添えます。
太い縮れ麺の上に炒めた豚ひき肉とキャベツ、もやしをたっぷりのせ、コーンとバターひとかけで仕上げる札幌風です。味噌はスープが強く沸いていないときに溶き、入れた後は再びぐらぐら煮立てません。
ゆでたうこぎの若芽、味噌漬け大根、くるみを米粒より少し大きく刻んで混ぜると、箸でつまむとほろほろこぼれる和え物になります。塩気の大半は味噌漬け大根から来るため、醤油と塩は味を見てから少しずつ足します。野生のうこぎは似た植物と間違えやすく、食用として栽培・販売された若芽だけを使い、くるみアレルギーがある人は食べません。
山口県のある小学校の栄養士が給食の献立を広げようと家庭の料理を募ったことから生まれ、学校から家庭や飲食店へ広がりました。片栗粉をまぶして揚げた鶏もも肉とごぼうを、ゆでた枝豆と一緒にだしベースの甘辛いしょうゆだれに絡めます。
炊いたご飯を詰めるいなり寿司と違い、生米とごぼう、にんじん、しいたけを油揚げに入れ、袋の中で米を炊き上げます。表面全体に散らしてあけた小さな穴が煮汁の通り道で、上に余裕がないと米が膨らんで口が破れます。
じゃがいもと米粉の白い生地にあん入りの生地を重ねて巻いて蒸すと、冷まして切った断面に白とあずき色の渦巻きがくっきり現れます。魚が手に入りにくかった秋田の内陸山間部で、かまぼこに似せて作られた口取り菓子で、正月や冠婚葬祭、運動会で切り分けられてきました。
青森県南部で盆や正月、婚礼などの祝いの席に出されてきた汁で、澄んだ汁に浮かぶウニの黄色い身を朝もやの中の野いちごに見立てて名が付きました。ウニは強く煮立てると崩れて香りが弱まるため、表面が固まり始めたところで火を止めます。
赤かぶの葉と茎を、塩を一切使わず生きたすんき種だけで乳酸発酵させるため、塩気のない澄んだ酸味に仕上がります。赤かぶは長野県木曽地方のものを使います。塩がないぶん安全は酸度にかかっており、味見の前にpH試験紙か測定器で液がpH4.6以下かを測ります。ヨーグルトや普通のキムチの汁は種の代わりになりません。カビ、腐敗臭、糸を引く異常なぬめりがあれば口に入れず廃棄し、発酵を見届けたら4度以下で冷蔵します。
バターでにんにくの香りを立て、生クリームと醤油を合わせたソースに明太子をほぐし入れ、太いうどんに絡めます。明太子は薄皮を取り除き、大きな膜が残らないようにすると、ソースの中で固まりません。強火で長く加熱すると粒がパサつくため、明太子は火を弱めてから最後に加え、余熱で温める程度にします。クリームは縁がふつふつしてきたら火を弱め、分離を防ぎます。煮詰まって重くなったソースは、取り分けた茹で汁大さじ2〜3でのばします。刻み海苔と小ねぎを散らして仕上げます。
よく乾いた干し柿の凝縮した甘みが甘酢に広がり、大根とにんじんのなますをまろやかにします。島根県では祝いの席や正月に並べてきた料理で、干し柿とにんじんの赤、大根の白を紅白に見立てます。大根とにんじんは塩水に浸けて、曲げても折れない程度までしんなりさせ、歯ざわりを残します。
宮崎では、卵衣をつけて揚げた鶏むね肉を温かい南蛮酢にくぐらせ、冷たいタルタルソースをかけます。普通の唐揚げと違い、衣はカリッとするよりしっとりしています。タルタルにはゆで卵、きゅうり、玉ねぎが刻んで入り、歯ごたえがあります。
里芋や黒ごま、海苔を練り込んだ餅を薄く切って長く干し、低めの油で揚げると一枚ずつふくらんで軽い揚げ菓子になります。普通の餅より長くつき、米粒が見えないほどなめらかにしておくと、薄く切っても縁が欠けにくくなります。揚げる前に一枚折ってみて、中心に湿った層が残っていないかを見ます。カビの点やかび臭さのある一枚は、隣り合った分まで捨てます。乾燥には数週間かかり、その間置いておく涼しく風通しのよい場所が先に必要です。
赤じその葉で一切れずつ包んだ青梅は、冷蔵庫で1か月ほど寝かせる間に葉の赤が果肉へ移り、甘みと酸味が芯まで染みます。埼玉県越生に伝わるやり方で、種を除いた梅はまず砂糖に漬け、赤じそは梅酢に1日漬けてから使います。生の青梅なので、熟成が終わるまで味見はしません。
甘い白味噌をたっぷり溶き、でんぷんに頼らず汁にやわらかな濃度と甘みを持たせます。イナは猪、ムドゥチはもどきの意味で、猪肉が手に入りにくくなり豚肉で代わりにしたことから名が付きました。すり身を多く使い蒸し揚げしたカステラかまぼこが入り、琉球王朝のもてなしにも用いられ、今も正月や卒業、入学、成人のお祝いに出されます。