菜豆腐
切ると断面に細かく刻んだ青菜とにんじんが散り、緑と橙の点が見えます。宮崎県椎葉村で貴重な大豆を節約しつつ豆腐を増やした知恵で、春は菜の花や三つ葉、秋から春は平家かぶの葉を入れて季節の色を楽しみました。ここでは平家かぶの葉の代わりにからし菜も使えます。仕上がった豆腐は水にさらさず、すぐ切って醤油や柚子味噌で食べます。
切ると断面に細かく刻んだ青菜とにんじんが散り、緑と橙の点が見えます。宮崎県椎葉村で貴重な大豆を節約しつつ豆腐を増やした知恵で、春は菜の花や三つ葉、秋から春は平家かぶの葉を入れて季節の色を楽しみました。ここでは平家かぶの葉の代わりにからし菜も使えます。仕上がった豆腐は水にさらさず、すぐ切って醤油や柚子味噌で食べます。
市販のカレールウひとつで、とろみもまろやかな甘みも決まります。スパイスを一から合わせるインドカレーとは違い、いつでも同じ味に仕上がることが家庭の定番になった理由です。じゃがいも、にんじん、玉ねぎを大きめに切るため、濃いソースの中でも形が残ります。
材料は人参と卵、塩、油だけで、仕上がりは人参の削り方で変わります。シリシリー器や千切り器で4cmから5cmの長さに削ると、炒めた後も歯ごたえが残ります。卵は人参のすき間にふんわりとまとまり、なめらかないり卵とは違うぽろぽろとした食感になります。
秋田で小正月に作る汁物で、大根やじゃがいも、山芋、山菜、豆腐、栗の甘露煮まで具が多く、大鍋で一度に作ります。汁がほぼ煮えたら、青豆粉ともち粉で作って焼いた焼きずんだを入れ、さらに5分煮ます。
包丁で太く切った手打ち麺に、牛肉、じゃがいも、大根、パプリカ、トマトを煮込んだとろみのある汁をたっぷりかけます。手で伸ばす麺ではなく、かための生地を2mmの厚さにのばして包丁で切る、ウズベキスタンのケスマという作り方です。クミンとコリアンダーの香りがトマトの酸味と重なり、うどんに似た見た目でも味は中央アジアそのものです。汁はスプーンの背を薄く覆うくらいがよく、煮詰まりすぎたら熱湯を50mlずつ足します。麺と汁は器で初めて合わせるため、太い麺が汁を吸ってのびません。
焼き色のついた温かい豆腐を冷たいベビーリーフにのせると、ひと皿の中で温度と食感に差が生まれます。豆腐は先に押して水気を抜き、最初の面が固まるまで動かさずに焼くと角切りが崩れません。ごま油大さじ1は焼く分とドレッシングの分に分けて使うため、フライパンには少しだけ引き、残りは取り分けておきます。紫キャベツとにんじんのせん切りが軽い噛みごたえを足し、炒りごまが醤油ベースのドレッシングに香ばしさを重ねます。ドレッシングを葉ではなく豆腐中心にかけるのは、柔らかい葉が醤油だれに浸かってしなびるのを避けるためです。
片栗粉をまぶしてカリッと揚げたエツを熱いうちに野菜入りの酢醤油へ漬けると、魚は味を素早く吸い、細切りの野菜はしゃきしゃきした歯切れを保ちます。エツは福岡県筑後地方で5月から7月の短い漁期にだけとれる魚で、小骨が多いため身に細かく切り込みを入れます。冷やして食べる夏のおかずです。
濃い黄金色に揚げた豚ロースのカツを厚めに切り、玉ねぎとにんじんの甘みを引き出したカレーと一皿に盛ります。カレーに触れた衣はしっとりし、残りはサクサクのままで、一口ごとに食感が変わります。パン粉は縁まで押しつけてつけると、揚げている間にはがれません。カレーの炒め油は揚げ油から取り分けて使います。
胴の内側に浅く入れた格子状の切り込みが、火が通るにつれて開き、いかがくるりと丸まって、そのすき間にコチュジャンだれが入り込みます。深く切ると胴がちぎれるため、表面をなぞる程度にします。
ロブスターの身はゆでて取り分けておき、スープそのものは殻で作ります。殻をバターで鍋底が色づくまで炒め、コニャックを注いでアルコールを飛ばしてから、トマトと魚のだしで30分以上煮出してこします。身が鍋に戻るのは、生クリームを加えたあとの最後です。
カリッと焼きつけるチャーメンとは違い、ローメンはゆでた麺をソースとしっとり和えるように炒めます。しょうゆ、オイスターソース、砂糖のソースは先に合わせておくと、短く和える間でも味が均一に回ります。えびに半分ほど火を通した段階で野菜を加えると、和える間に固くなりません。ブロッコリーとにんじんは色が鮮やかになり、歯切れが残るところで止めます。フライパンに長く置くと麺が乾くため、ソースがつやよく絡んだらすぐ皿に移します。えびの代わりに鶏肉や牛肉でも同じ手順で作れます。
豆腐を油を使わずに炒って水分を飛ばすとぽろぽろの粒になり、だしで煮た干ししいたけ、にんじん、ごぼう、こんにゃくの間に散らして酢の調味料で和えます。豆腐は野菜を包まず、粒のまま野菜のあいだに混ざります。
酒粕に漬けた奈良漬けの香りと歯ごたえが、甘辛く煮たぜんまい、かんぴょう、しいたけ、つきこんにゃくの間で生きてきます。単独では強い漬物の味も、たくさんの野菜と油揚げに分かれることでやさしくなる和え物です。奈良県の日常のおかずで、冷ましてから食卓に出します。
半分に切った海苔にご飯をごく薄く広げ、たくあん、ほうれん草、にんじんを少しずつのせて細く巻きます。具が三つだけで、切ると小さな丸い断面になり、一口で食べられます。にんじんはしんなりする程度に炒めて甘みと歯ごたえを残し、ほうれん草はさっとゆでて水気を絞り、ごま油であえます。
にんじん、ごぼう、干ししいたけを煮ただしを生おからに吸わせ、しっとりしつつほろりとほぐれる状態に仕上げます。おからを入れたら鍋底から返し続けないと焦げつき、汁気が消えても乾くまでは火にかけません。
サーモンとじゃがいもを魚のだしで煮て、生クリームとディルで仕上げるフィンランドのスープです。じゃがいも、にんじん、リーキを先にほぼ柔らかくしてから、サーモンは最後の数分だけ煮るので、すくうと大きな身がごろりと出てきます。
豚肉とえび、いか、あさりをキャベツやもやしと強火で炒め、鶏ガラ味のスープで太い麺と一緒に煮込みます。家庭では市販のちゃんぽん麺を別ゆでしておき、最後にスープで仕上げます。かまぼこやしいたけも入り、具の多さで一杯が成り立ちます。キャベツに歯ごたえが残るうちに盛り付けると、汁ばかりの仕上がりになりません。
じゃがいもはなめらかに潰しきらずに小さな塊を残し、ツナのほぐれた身とほくほくした粒が一緒に口に入るようにします。刻んだきゅうり、にんじん、玉ねぎは先に塩をふって水分を出し、マヨネーズが水っぽくならないようにしてあります。粒マスタードの酸味と粒感が、マヨネーズだけの味に輪郭を足します。
最後に回し入れる酢が甘辛い根菜の煮物に酸味を重ね、れんこんにはしゃきっとした食感が残ります。茨城県水戸周辺のおかずで、煮てから和える「煮て和える」が名の由来という説があります。正月や冠婚葬祭に多めに作って翌日に食べてきた料理で、今も冷蔵庫で一晩なじませてからが食べごろです。
赤貝が旬を迎える春に、生のセリをのせてコチュジャンだれで混ぜるビビンバです。赤貝の身は沸騰した湯から30秒で引き上げ、それより長く置くと縮んでゴムのように硬くなります。
干したずいき(いもがら)を30分戻し、れんこん、にんじん、油揚げ、こんにゃくと油で炒めてから、甘い醤油の煮汁でふたをせずに煮ます。仕上がりは鍋底に煮汁がほとんどなく、いもがらはやわらかく噛めて、れんこんにはまだしゃきっとした歯ごたえがあります。
小麦粉の団子をかむと、中からくるみがひとかけら出てきます。岩手県久慈市山形町の郷土汁で、江戸時代の凶作の折に祝いの麺の代わりに作った粉ものが始まりと伝えられ、今も正月や冠婚葬祭、冬の食卓に並びます。昆布と煮干しの澄んだ醤油味の汁に、人参、ごぼう、かんぴょう、きのこ、焼き豆腐が加わり、具だくさんの一杯になります。
ほうれん草、もやし、にんじんのナムルをそうめんと合わせ、醤油に酢と梅シロップを加えたたれで和えます。コチュジャンを使わない分、塩気と酸味、ほのかな甘さが軽く感じられます。ほうれん草ともやしは別々に茹でて強く絞り、水気が残ってたれが薄まったり、そうめんがふやけて固まったりしないようにします。にんじんは油をひかないフライパンで少し炒め、生とは違う甘みを引き出します。たれは先にそうめんへしっかり絡め、そのあとナムルを加えると、味が野菜だけに偏りません。辛くしたいときは唐辛子粉を大さじ0.5加えます。
よく乾いた干し柿の凝縮した甘みが甘酢に広がり、大根とにんじんのなますをまろやかにします。島根県では祝いの席や正月に並べてきた料理で、干し柿とにんじんの赤、大根の白を紅白に見立てます。大根とにんじんは塩水に浸けて、曲げても折れない程度までしんなりさせ、歯ざわりを残します。