ネジャンタン(牛モツ各種の辛口内臓スープ)
牛モツの盛り合わせは、ひだに残ったにおいがそのまま汁に出るため、塩と小麦粉でもみ洗いし、冷水に浸ける下処理にいちばん手間をかけます。下ゆでの湯は捨て、新しい水で50分煮ると厚い部分まで柔らかくなり、その煮汁がスープのベースになります。
牛モツの盛り合わせは、ひだに残ったにおいがそのまま汁に出るため、塩と小麦粉でもみ洗いし、冷水に浸ける下処理にいちばん手間をかけます。下ゆでの湯は捨て、新しい水で50分煮ると厚い部分まで柔らかくなり、その煮汁がスープのベースになります。
アサリもナズナも、砂や泥が残りやすい材料です。アサリは塩水でしっかり砂抜きし、ナズナは根の間を手でこすって洗っておかないと、澄んだ汁を飲むうちに砂がじゃりっと当たります。
冬のあいだ蓄えておくプゴ(干しスケトウダラ)と、春いちばんに摘むナズナを一つの鍋で煮ます。プゴは水で戻さず、ほこりを洗い流すだけでごま油で炒めます。長く浸けると旨みが水に抜けてしまうからです。
ナズナは根が土の香りを、葉がほろ苦さを持つので、両方を均等に混ぜて使います。テンジャン(韓国味噌)をざるでこしながら溶くと、煮干し出汁が濁らず、すっきりした旨みに発酵の香ばしさが重なります。
テンジャンが大さじ1入りますが下味程度で、味噌汁というより、ごま油で炒めた牛バラ肉の澄んだ牛肉スープに近い味です。そこに春のナズナが入り、肉の汁に土の香りを帯びた青い香りが加わります。
コムタンがすべて白濁しているわけではありません。このナジュコムタンは骨を使わず、牛バラとすね肉の赤身を弱火で2時間以上煮出してスープを澄ませます。火を強めると、すぐに濁ってしまいます。煮た肉は繊維に沿って裂くか薄切りにし、スープで温め直して出します。
ドジョウを骨ごとゆでてすりつぶし、ざるでこした汁で、スプーンに重たくからむほどとろりとしています。テンジャンで和えたシレギ(干し大根の葉)とえごま粉も加わり、山椒粉は食べる直前に少しずつふります。
あさり700gに清酒大さじ1と水、材料はほぼそれだけです。殻が開き始めればあっという間に仕上がるため、唐辛子と長ねぎ、にんにくは火をつける前に全部切っておきます。
すり鉢で粒が見えなくなるまですった納豆を味噌汁に溶くと、汁全体にとろみが出て、発酵の香りが均一に広がります。山形の冬の家庭料理で、食材の乏しい季節に、干したいもがらや塩漬けの山菜といった保存食と納豆を合わせて作ってきました。地域によっては正月や七草、大黒様の行事にも食べます。
ヌンイ茸は、鶏で出汁を取り終えた最後の15分にようやく鍋に入ります。最初から鶏と一緒に50分煮ると香りが抜け、普通の鶏スープに近づいてしまうからです。
拍子木に切った豆腐の入った熱い醤油味の汁へ、大根おろしの汁でのばした生の長芋を一杯ずつのせ、ふんわり広げます。岩手の精進の汁で、鍋全体を片栗粉でとろませる八杯汁ではなく、碗ごとに長芋をかけるぬっぺい汁の形をとります。八杯の名は、豆腐一丁で八杯分作れるからとも、何杯もおかわりしたくなるからとも言われます。
大根を先に8分以上煮て汁を甘くし、イカはそのあとに入れて4、5分で仕上げます。輪切りが白く不透明になり、丸まり始めたころがちょうどよく、それ以上煮るとすぐに硬くなります。唐辛子粉は入れません。
オルゲンイは、忠清道で川の小さな巻き貝ダスルギを呼ぶ名前です。小さな身とアオイ菜をテンジャンの汁で煮て、えごまの粉を溶いて少しとろみをつけます。
1.5kgの鴨の腹にもち米を詰め、黄耆やハリギリなどの韓方材料を先に煮出した湯で煮ます。煮上がると腹の中のもち米が粥のようになり、肉と一緒に取り分けます。鴨は鶏より身が硬く、1時間半以上かかります。
えごまの種子の粉を大さじ8杯溶かし込むとスープは白く濁ってとろりとし、鴨肉にしっかり火が通ってから加えれば粉っぽさや苦い後味も出にくくなります。鴨肉は燻製や味付けのない生の薄切りを使い、スープに余計な味を持ち込まないようにします。
アオサは鍋に入れて30秒から1分で十分で、それ以上煮ると磯の香りも鮮やかな緑もくすんでしまいます。煮干しだしと豆腐を先にすっかり温めておき、アオサを最後に入れるのはそのためです。
ひとつの鍋から二皿が生まれます。澄んだスープは別の器に注ぎ、厚めに切った牛バラとじゃがいも、にんじんは一皿に盛って、マスタードか粗塩を添えます。スープを澄ませるには最初のゆで汁を捨て、新しい水は沸く前からアクをすくい、表面がかすかに揺れる火加減で2時間保ちます。
器の背骨から身をほぐしながら、テンジャンの味がしみたウゴジ(白菜の外葉)と白濁したスープを一緒に食べます。スープの味を分けるのは最初の下ゆでの湯を捨てることで、アクと臭みはその湯に集まっています。
白身魚は4分ほどで身が白く固まり、それ以降は混ぜるたびに崩れやすくなります。そのため大根を先に半分ほど煮てスープの味を作ってから魚を入れ、身が少しほぐれ始めたらそれ以上煮ずにすぐ器に盛ります。
市販の冷凍エビ水餃子を使うので、支度は短くすみます。餃子を入れる前にエビを2分ほど煮ておくと澄んだ汁にも魚介の味が出て、餃子は凍ったまま入れるほうが形が崩れにくくなります。
牛の脚の骨を6時間以上煮出し、牛乳のように白いスープを取ります。ソルロンタンやコムタンと同じ骨スープの仲間ですが、肉は入れません。一度煮出した骨は3、4回まで煮直せ、回を重ねるほど色は薄く、味はすっきりしていきます。
牛骨スープは作り置きを使います。手間がかかるのはウゴジ(白菜の外葉)のほうで、下ゆでしたウゴジをテンジャン、唐辛子粉、にんにく、えごま油で芯までもみ込み、鍋で3分炒めてテンジャンの香りを立たせてから、スープを注ぎます。
小ぶりの若鶏にもち米、水参、なつめ、にんにくを詰めて丸ごと煮ると、もち米のでんぷんが溶け出してスープにほのかなとろみと香ばしさが出ます。もち米は30分以上浸水させておかないと中まで火が通らず、ふくらむ余地を残して詰めないとあふれます。脚の関節が楽に動けば火が通ってきた合図ですが、いちばん厚いもも肉と腹の中のもち米はそれぞれ別に見ます。塩はスープに入れず、別皿で添えて肉につけて食べます。
身の付いた塩ザケの頭と中骨から脂とうまみが出て、昆布だしがすぐに深くなります。北海道の冬の汁である三平汁は、味噌と生ザケで作る石狩鍋と違い、塩ザケそのものの塩気が味の土台です。