中身汁
豚の胃と大腸、小腸を細く切って入れながら、汁は脂っぽさも濁りもなく、かつおの香りと淡い豚のうまみが先に立ちます。その澄み方は、中身を新しい水で煮立てて濁った湯を捨てる作業を何度も繰り返し、約2時間やわらかく煮ることで生まれます。塩と少量の醤油で色を付けずに味を調え、沖縄の胡椒ヒハツを振って仕上げます。正月や祝い事、法事に出されてきた汁で、今は普段の食卓にも上ります。
豚の胃と大腸、小腸を細く切って入れながら、汁は脂っぽさも濁りもなく、かつおの香りと淡い豚のうまみが先に立ちます。その澄み方は、中身を新しい水で煮立てて濁った湯を捨てる作業を何度も繰り返し、約2時間やわらかく煮ることで生まれます。塩と少量の醤油で色を付けずに味を調え、沖縄の胡椒ヒハツを振って仕上げます。正月や祝い事、法事に出されてきた汁で、今は普段の食卓にも上ります。
茹でた白身魚をフォークで細かくほぐしてカレーに混ぜ込み、魚は身の形を残さず、ソース全体に溶け込みます。レモングラスとこぶみかんの葉で香りをつけた茹で汁もスープとして戻すため、ココナッツミルクのコクの奥にハーブの香りが続きます。米麺には味をつけず、ゆでて洗った上に熱いソースをかけるだけで、ソースの塩気と流れ具合がそのまま一皿の印象になります。タイでは、もやし、空芯菜、青唐辛子、ライムなどの生野菜を添え、各自で混ぜながら食べます。宮廷の宴席料理が起源ですが、今では屋台でもよく見かけます。
大きめに切ったじゃがいも、にんじん、玉ねぎが入る見慣れた家庭のカレーですが、ソースは固形ルーではなくカレー粉とココナッツミルクで作ります。小麦粉を使わなくても、じゃがいものでんぷんと煮詰めたココナッツミルクでとろみがつき、翌日温め直すと初日より味が濃くなります。
塩漬けの高菜で大きなおにぎりを包み込み、醤油味のご飯と高菜の塩気を一緒にほおばります。和歌山県南部で山仕事の人や海の漁師が持ち歩いた弁当がもとになっています。名前は、大口を開けるから、おいしさに目を見張るから、隙間なく目張りするからなど、いくつかの説が伝わります。硬い茎は刻んで味をなじませ、ご飯に混ぜ込みます。
小さく丸めた生地が低めの油の底に沈み、20〜30秒で浮き上がると、ひとりでに転がりながら片側がチューリップのように割れます。中国の菓子、開口笑の影響を受けたとされ、暑い沖縄でも比較的日持ちすることから、普段のおやつにも琉球の大切な行事や儀礼にも欠かせない揚げ菓子になりました。
すり鉢で粒が見えなくなるまですった納豆を味噌汁に溶くと、汁全体にとろみが出て、発酵の香りが均一に広がります。山形の冬の家庭料理で、食材の乏しい季節に、干したいもがらや塩漬けの山菜といった保存食と納豆を合わせて作ってきました。地域によっては正月や七草、大黒様の行事にも食べます。
同じ卵麺をゆでたものと揚げたものの二通りで使い、スープを吸った柔らかい麺とカリッとした麺を一緒に食べます。北タイのチェンマイで食べられるココナッツカレー麺で、鶏もも肉をレッドカレーとココナッツミルクで弱火で煮込み、身がほぐれるまで柔らかくします。薄切りのエシャロット、ライム、パクチーが濃厚なスープに酸味と香りを添えます。
水に浸したカシューナッツをなめらかにすりつぶし、ヨーグルトや生クリームと弱火で溶きのばしたソースで、辛さは控えめでとろりとしています。ソースの茶色は、時間をかけて炒めてからペーストにした玉ねぎの色です。
だし、醤油、みりんで鶏ももと玉ねぎを煮て卵でとじた親子丼に、最後に三つ葉をのせます。ふたをして20秒置いたら火を止めます。三つ葉のパセリに似た香りは、それ以上熱を受けると抜けてしまいます。
皮ごと蒸したさつまいもを円柱に整えてこしあんで巻くと、切り口は黄色い芯をあんの輪が囲む形になります。徳島のさつまいもが大阪へ出荷される際、より大きな産地の名を借りて売られたことから、芋が出世したという洒落で名付けられたと伝わります。
拍子木に切った豆腐の入った熱い醤油味の汁へ、大根おろしの汁でのばした生の長芋を一杯ずつのせ、ふんわり広げます。岩手の精進の汁で、鍋全体を片栗粉でとろませる八杯汁ではなく、碗ごとに長芋をかけるぬっぺい汁の形をとります。八杯の名は、豆腐一丁で八杯分作れるからとも、何杯もおかわりしたくなるからとも言われます。
バターで炒めたキムチは酸味が丸くなって香ばしいこくもつき、しょうゆだけでうどんの味が決まります。キムチを広げて汁気を飛ばし、縁が少し濃い色になると酸っぱさがやわらぎます。半熟卵を崩すと黄身がソースのように麺に絡み、刻みのりと小ねぎが香りを添えます。
宮崎では、卵衣をつけて揚げた鶏むね肉を温かい南蛮酢にくぐらせ、冷たいタルタルソースをかけます。普通の唐揚げと違い、衣はカリッとするよりしっとりしています。タルタルにはゆで卵、きゅうり、玉ねぎが刻んで入り、歯ごたえがあります。
ゆでだこは刺身用の魚より弾力が強く、厚く切るとシャリと口の中でなじみません。包丁を寝かせて薄く広くそぎ切りにすると、たこがシャリの両脇まで覆い、一口でかみ切れます。
寒天で固める練り羊羹と違い、こしあんを小麦粉でつなぎ、目が詰まってもっちりと仕上がります。滋賀の近江では生地を竹皮で平たく包んで蒸し、竹皮が乾燥を防いでほのかな香りを添えます。竹皮は食品包装用を洗ってゆでてから使い、食べずにはがして羊羹だけを切り分けます。
ラードで炒めた牛肉と人参をかつおだしで煮ると、澄んだ汁にもほのかなコクが残ります。沖縄では冬に黄色く細長い島人参チデークニを入れ、牛の内臓まで入れる具だくさんの作り方もあります。地域の行事でも昔から作られてきた汁です。このレシピは牛ももブロックひとつで、下ごしらえを減らしました。
中国の担々麺の形を借り、肉みそには韓国の味噌(テンジャン)としょうゆを、スープには無調整豆乳を使います。豚ひき肉の縁が茶色くなるまで炒めてからキムチを加えて炒めると、酸味が落ち着き、豆乳とラー油のスープに自然になじみます。味噌が鍋底に焦げつき始めたら、すぐ火を弱めて苦みを防ぎます。
鶏むね肉は所々に焦げ目がつくまで強火で焼いてから、ソースに入ります。下味はヨーグルト、カレー粉、にんにく、しょうがで、ソースはバターで茶色く炒めた玉ねぎとトマト、生クリームで作ります。インド料理をもとにイギリスで広まった融合料理とされます。バスマティライスやナンを添え、ナンでソースをぬぐって食べます。
水の代わりに冷ましたほうじ茶で炊いたご飯には、ほのかな焙じた香りが移り、炒って皮をむいた大豆が香ばしく歯に当たります。東大寺のお水取りに参加する僧の食事に茶粥と並んで出たものが原形とされ、のちに旅人が江戸へ伝え、浅草寺周辺の店で広く知られるようになりました。大豆と塩は吸水した米の上に散らすだけで、混ぜずに炊きます。
重曹でふくらむ白く柔らかな皮から、栃木の宇都宮では炭酸まんじゅうとも呼ばれます。二毛作で小麦作りが盛んだった土地柄、新しい粉が出回るお盆や婚礼、葬儀、年中行事のたびに各家で蒸しました。旧暦7月1日の釜蓋朔日には、あの世から帰る先祖が飢えないよう釜蓋まんじゅうを供えたという言い伝えがあります。
身の付いた塩ザケの頭と中骨から脂とうまみが出て、昆布だしがすぐに深くなります。北海道の冬の汁である三平汁は、味噌と生ザケで作る石狩鍋と違い、塩ザケそのものの塩気が味の土台です。
ごま油で炒めた酸っぱいキムチを鶏がらスープで煮出し、味噌としょうゆで仕上げます。キムチを先に炒めておくと尖った酸味が落ち着き、味噌のまろやかさとけんかしません。
材料は牛乳と穀物酢の二つだけです。温めた牛乳を酢で固め、さらしで水気を切る千葉県安房・鴨川周辺の乳製品で、豆腐と呼ばれますが大豆は使わず、口当たりはやわらかいフレッシュチーズに近いものです。もともとは子牛が生まれた直後の初乳を温めて固めていましたが、このレシピは手に入りやすい一般の殺菌牛乳で作ります。冷やすと淡泊でほのかに酸味があります。
米麹とご飯が寒い場所でゆっくり発酵し、ほのかな甘酸っぱさが塩マスと大根、にんじんへ移ります。岐阜の飛騨や中濃、特に下呂周辺で、正月に向けて12月に漬け始めてきた発酵ずしです。容器に詰めてから14〜20日、温度変化の少ない寒い場所で寝かせ、進み方は気温と材料で変わります。