エリンギ丼
エリンギを縦に厚く切って斜めの切り込みを格子状に入れると、肉の代わりに丼にのせられる厚みのある切り身になります。油をひかないフライパンで先に焼いて水分を飛ばしてから、醤油、みりん、砂糖のたれで煮絡め、たれをまとっても弾力を残します。
エリンギを縦に厚く切って斜めの切り込みを格子状に入れると、肉の代わりに丼にのせられる厚みのある切り身になります。油をひかないフライパンで先に焼いて水分を飛ばしてから、醤油、みりん、砂糖のたれで煮絡め、たれをまとっても弾力を残します。
徳島県祖谷地方の雑煮には餅が入らず、硬い岩豆腐と里芋を椀に盛ります。里芋の上に長方形の豆腐2枚を互い違いに重ねる形なので、絹ごし豆腐では崩れてしまいます。岩豆腐がなければ、とても硬い豆腐をしっかり水切りして代わりにします。仕上げのつゆは少量だけ注ぎ、重ねた豆腐が見えるように出します。
大根おろしがつゆにほのかな辛みと清涼感を加え、小ねぎと海苔、わさびが香りを足します。うどんは茹でたあと冷水でもみ洗いし、氷水で芯まで冷やすと、こしのある弾力が戻ります。
アメリカの中華料理では、野菜を混ぜた卵を小さく焼き、別に作った茶色いあんを食べる直前にかけます。ここでは肉は使わずマッシュルーム、もやし、玉ねぎ、小ねぎだけを入れ、たっぷりの油で揚げずにフライパンで焼くので、縁だけが茶色く、中はやわらかいままです。
すし酢の代わりに鹿児島の灰持酒をたっぷり混ぜたご飯に、別々に煮た切り干し大根やしいたけ、ふき、たけのこ、タイ、エビ、かまぼこを重ねていきます。伝統的には生の酢じめタイを使い室温で半日置きますが、この作り方では魚介をすべて加熱し、冷蔵庫で6〜8時間寝かせて香りをなじませます。酒は加熱しないためアルコールが残り、子ども、妊娠中の人、運転する人には出しません。
花びらのように平たく打った大豆は丸のままより早く煮え、味噌の味が芯までしみて、汁にも香ばしいとろみを加えます。雪深い滋賀県湖北で冬のたんぱく源を蓄える工夫から生まれ、寺の報恩講ではおこ汁としてふるまわれてきました。
豚肉とえび、いか、あさりをキャベツやもやしと強火で炒め、鶏ガラ味のスープで太い麺と一緒に煮込みます。家庭では市販のちゃんぽん麺を別ゆでしておき、最後にスープで仕上げます。かまぼこやしいたけも入り、具の多さで一杯が成り立ちます。キャベツに歯ごたえが残るうちに盛り付けると、汁ばかりの仕上がりになりません。
縦に切ると、緑のすり身の輪の内側に赤く染めた白身と黄身が重なって現れ、この断面が孔雀の羽に見えることから孔雀(くじゃく)と呼ばれます。大分県佐伯市蒲江では、正月や祝いの席に出します。えそやぐちなどの白身魚をすりつぶして塩、砂糖、卵白と練ったすり身で、ゆで卵を包んで揚げます。
玄米ご飯に焼いた鮭、ゆでたほうれん草、細切りにんじん、アボカドを盛り、醤油とレモン汁、ごま油を合わせたたれをかけます。ぷちぷちした玄米に対して、鮭は中心がわずかに半透明なところで焼き上げ、しっとりさせておきます。
「どんがら」はタラの頭や骨の多いアラを指します。山形県庄内地方では産卵期のマダラを身から肝、白子や卵まで一つの鍋に入れ、肝が溶けた味噌汁はこってりと香ばしくなります。家庭では、胆のう、えら、腸を専門店で除いた鍋用セットで作ります。
しょうゆ、みりん、砂糖で甘辛く煮た牛薄切り肉と玉ねぎが、澄んだだしのうどんにのります。肉をつゆで煮込まずフライパンで別に煮ると、肉にはつやが出て、つゆは濁らずすっきりしたままです。牛肉は赤みが半分ほど消えたところで調味料を加え、2分ほど返すだけにとどめるとかたくなりません。だしは最初に少し取り分けておき、つゆがしょっぱく感じたら足して整えます。ゆでたうどんも熱湯で表面のでんぷんを洗ってから盛り、最後まで軽いつゆを保ちます。
ゼラチンも寒天も使わず、えごぐさという海藻だけを酢少々とともに煮溶かして四角い型で固めます。福島県西会津や喜多方で、法事やお盆、正月など人が集まる席に並んできた一品です。固まったら好みの形に切り分け、からし醤油で食べます。
刺身用サーモンの角切りは醤油とごま油で5分和えるだけで、表面につやが出て中は生の食感のままです。長く漬けると醤油が鮭の味を覆ってしまい、表面がうっすら醤油色になったところが切り上げどきです。
そば粉に崩した木綿豆腐を混ぜた生地を、両端はとがり中央は少しふくらんだ柳の葉の形に押し、そばの弾む歯ごたえを残します。岩手県北部の味噌汁で、細いそばを切るより手間が少なく、そばの風味はしっかり味わえます。そばアレルギーのある人には出しません。
豚バラは醤油、みりん、砂糖で甘辛く煮て、かつおだしの澄んだスープにのせます。肉の味がしっかりしているぶん、スープは醤油を控えめにして透明感を保ちます。茹でた麺は冷水ではなく温かい湯でさっと洗い、でんぷんを落としつつ冷まさないようにします。仕上げのかつお節と小ねぎが香りを立たせます。
パンジャーブ州アムリトサルの黄金寺院周辺の路地の屋台で生まれた魚のフライで、北インドではビールのつまみとして広まりました。衣はひよこ豆粉のベサンに米粉を混ぜたもので、小麦粉より薄く付き、カリッとした食感が長持ちします。生地に混ぜるアジョワンの種からは、タイムに似た香りがします。
もち米ではなくうるち米をつくため、仕上がりは普通の餅より粘りが弱く、噛むと米の粒感が伝わります。うるち米は一度蒸しただけでは芯が硬くてつけないので二度蒸し、その間に冷水へ短く通して粒をほぐしながら水分を補います。水に長く浸すと米が水を吸いすぎて、べたついた餅になります。千葉県匝瑳地域に伝わる餅です。
焼かない角餅を澄んだ醤油仕立てのだしで煮ると、表面はなめらかに、中はやわらかく煮えます。豆味噌の土地として知られる愛知ですが、この雑煮には味噌を使わず、汁の色が明るく仕上がります。尾張の伝統野菜もち菜は小松菜に似ていますが、より柔らかく甘みがあり、餅がやわらかくなってから短く煮ると緑がきれいに残ります。上にのせるのは削り節だけで、具の味がそのまま伝わります。
塩を入れない幅広の麺をゆでずに、根菜の煮汁へそのまま入れて煮込みます。汁は澄まず、ほんのりとろみがついた状態に仕上がります。里芋、ごぼう、大根、しいたけ、油揚げで具だくさんになり、味付けは醤油と味噌の両方を使います。群馬の家庭の鍋で、麺の太さや野菜は家ごとに違います。
1940年代のシンガポールで、ケーララ出身の移民ゴメスが、魚の頭を好む中国系の客のために南インドのカレーに頭を丸ごと入れたのが始まりです。ココナッツミルクとタマリンドのカレーにオクラ、なす、トマトも一緒に入り、頭から溶け出すコラーゲンでソースに軽いとろみがつきます。最初に手が伸びるのは、カレーをいちばん吸った頬肉や目の周りのぷるっとした部分です。
ご飯を半分ほどつくだけで餅にはしないため、焼いた表面の内側に米粒がしっかり感じられます。福島でじゅうねんと呼ぶえごまを炒ってすり、砂糖と味噌、酒で練ったじゅうねん味噌を塗って、軽い焦げ目のうちに火から下ろすと砂糖が黒く焦げません。
肉や鰹節を使わず、干ししいたけの戻し汁でだしをとり、里芋やごぼう、にんじん、豆腐、油揚げを片栗粉でゆるくとじます。宮城県南部で彼岸やお盆、法事の席に出されてきた精進の汁物です。とろみはへらに薄くつく程度で、具が沈まずに汁と一緒にすくえます。温麺を汁で直接ゆでるとでんぷんが溶け出して濁り、重くなるため、別鍋でゆでて最後に加えます。白石温麺に糸こんにゃく、豆麩も加わって汁物と麺料理のあいだのような一椀になり、三つ葉の香りで締めます。
エイは皮と軟骨にコラーゲンが多く、甘辛く炊いた煮汁を冷やすだけでゼラチンなしにぷるんと固まります。奈良県葛城では、このエイを生姜、酒、みりん、砂糖、醤油で炊き、煮汁ごと冷やして煮こごりにします。海のない奈良にも、大阪に揚がった魚介が竹内街道を通って早く届きました。
醤油とみりん、しょうが汁で炒った鶏そぼろと、黄色い炒り卵を、ご飯の上に半分ずつ盛ります。混ぜずに分けておけば、ひと口ごとに割合を変えて食べられます。どちらも細かい粒に仕上げたいので、鶏肉も卵も鍋の中で箸を止めずに動かし続けます。