チゲレシピ
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チゲは韓国を代表する鍋料理で、スープより味付けが濃く具材もたっぷりです。キムチチゲ、テンジャンチゲ、スンドゥブチゲは最も親しまれている定番メニューで、トゥッペギ(石鍋)でグツグツ煮てご飯と一緒にいただきます。
じゃがいもチゲ(カムジャチゲ)
じゃがいも3個と豚肉100gをコチュジャンの汁で煮て、じゃがいものでんぷんから自然な濃度を出す2人分のチゲです。じゃがいもは皮をむき、大きさに応じて4~6等分し、豚肉は厚さ2cmに切って火の通る時間をそろえます。水500mlを鍋へ入れ、コチュジャン大さじ1を塊がなくなるまで先に溶き、粉唐辛子大さじ1を加えて強火で沸かします。赤い汁が均一に沸いたらじゃがいもと豚肉を入れ、再び沸騰した時点で中火に落として約12分煮ます。じゃがいもを崩さないよう頻繁に混ぜず、底へ付かない程度だけ動かします。箸が中心へ入るようになったら3~5分煮続け、でんぷんを少し汁へ出し、豚肉にも完全に火を通します。じゃがいもの角は残り、汁がスプーンへ少し濃く付く状態で火を止めます。別のでんぷんやだしを使わなくても、じゃがいもから出た成分がコチュジャンの汁に濃度を付けます。
カンテンジャンチゲ(濃厚味噌チゲ)
カンテンジャンチゲは、テンジャンとコチュジャンを牛ひき肉と炒め、煮干し昆布だしと具を加えて濃く仕上げる2人分のチゲです。ズッキーニ120g、玉ねぎ80g、木綿豆腐180gを1cm角に切り、青唐辛子1本は種ごと小口切りにします。牛ひき肉120gを弱火で約3分ほぐし、赤みが消えて鍋底に脂が回ったら、テンジャン大さじ2のうち8割とコチュジャン大さじ0.5を肉へ混ぜ込みます。焦げ付かないよう30秒混ぜ、煮干し昆布だし450mlを少量ずつ注いで味噌をのばします。強火で沸騰させて泡を取り、ズッキーニと玉ねぎを入れた後は中火に落とし、7分から8分加熱します。ズッキーニの縁が少し透き通り、玉ねぎが柔らかくなったところで豆腐と青唐辛子を加え、あと4分煮ます。仕上げの1分だけ蓋を外し、濃度と塩気を確かめて残りのテンジャンで調整します。メーカーごとに塩分が異なるため、最初から全量を使わないことが味を整える要点です。汁気が少なく味が濃いので、ご飯にのせて混ぜるほか、サムパプにも添えられます。
江原道式テンジャンチゲ(じゃがいもたっぷりの田舎味噌鍋)
江原道式テンジャンチゲは、じゃがいもを300gとたっぷり使い、スープにとろみとボリュームがあるのが特徴の地域独自のテンジャンチゲです。煮干しだし1.1Lにテンジャン大さじ3を溶かして濃厚なベースを作り、角切りにしたじゃがいもが十分に煮崩れていくにつれてでんぷんが溶け出し、スープに重みと質感が加わります。ヒラタケは弾力があり長く煮ても形が崩れにくく、うま味をスープに溶け込ませます。ズッキーニ、玉ねぎ、豆腐もたっぷり入れることで、鍋一つで十分な一食になります。江原道は首都圏より夏が涼しく冬が長い山間地域が多いため、惜しみなく食材を使い長く煮込む素朴な料理文化が根付いています。テンジャンの量は好みで調整しますが、じゃがいもが完全に煮えてこそスープの望ましいとろみが生まれます。
ケグクジ
ケグクジは、下処理したワタリガニと熟成キムチを煮干しと昆布のだしで煮て、アミの塩辛で最後の味を調える泰安地方の鍋料理です。ワタリガニ2杯は殻、関節、足の間をブラシでこすって洗います。甲羅を外し、足先を切り、胴体を半分にして、だしが中へ入りやすくします。熟成キムチ300gは一口大にし、豆腐150gと長ねぎ50gは煮ても崩れにくい厚さに切ります。鍋へ煮干し昆布だし1Lを注ぎ、キムチを先に入れて沸かします。発酵した白菜の酸味と塩分を汁へ十分に移してからカニを加えます。沸騰したらカニ、刻みにんにく大さじ1、唐辛子粉大さじ2を入れ、15分煮ます。カニは汁へ浸かるよう置きますが、身が殻から外れないよう何度も裏返しません。殻の色が変わり、再び安定して沸いたらアミの塩辛で調えます。キムチの塩分は一定ではないため、大さじ2を一度に入れず、分けて味を確認します。最後に豆腐と長ねぎを加えて5分煮ます。豆腐の中心まで熱くなり、ねぎが柔らかくなったら火を止め、汁、キムチ、カニを一緒に器へ分けます。盛り付ける時はカニの身を崩さないよう、鍋底から静かにすくいます。
ワタリガニのテンジャンチゲ(丸ごとカニの旨味味噌鍋)
ケテンジャンチゲ(カニ味噌チゲ)は、ワタリガニを丸ごと一杯入れてテンジャンと煮干しだしで煮込む韓国のチゲです。ワタリガニの甲羅と身から滲み出る海鮮だしがテンジャンの香ばしい発酵の香りと合わさり、二つの旨味が一つの椀に層をなします。煮干しだしをベースに使うことで海鮮の風味が倍増し、カニのだしと煮干しのだしが同じ方向に深まっていく効果が生まれます。豆腐とズッキーニは豊かなスープをたっぷり吸い込み、具材それ自体でも十分に美味しく、とくに豆腐は鍋底に沈んだテンジャンの固形部分まで吸い込みながら独特の滑らかな質感が際立ちます。箸でカニの身をほぐしながら食べる工程がこのチゲの大きな楽しみの一つで、甘いカニの身とコクのある辛口のスープが合わさり、味の対比が生まれます。
コチュジャンチゲ(コチュジャンベースの豚肉野菜鍋)
コチュジャンチゲは、コチュジャンを主軸の調味料にするチゲで、テンジャンチゲやキムチチゲとは異なる独自の辛みを持つ。豚肩ロースが基本のたんぱく源で、鍋で先に炒めて表面を焼き付けると肉汁が閉じ込められ、スープに旨みが加わる。コチュジャン大さじ2を土台にし、コチュカルで辛さの強さを調整し、醤油が塩気の深みを補う。じゃがいもはでんぷん質のスープを吸いながらほくほくに煮え、ズッキーニはほんのりとした甘みを出しながら濃いスープの中でしんなりと柔らかくなる。豆腐は周囲のタレを芯まで吸い込み、噛んだときにコチュジャンの風味が力強く広がる。煮込むほど食材が互いの風味を受け渡し、単一の素材では出せない複合的なスープが完成する。韓国の家庭では冷ご飯にスープをたっぷりかけて食べるのが定番だ。
豚肉コチュジャンチゲ(コチュジャンと味噌合わせの豚鍋)
豚肉コチュジャンチゲは、豚の前腕肉をコチュジャンとテンジャンを合わせた味付けで煮込むチゲです。コチュジャンだけで煮ると辛さが鋭く立ちますが、テンジャンを大さじ半分加えると香ばしい発酵の風味が土台となり、味が一段と丸くなります。粉唐辛子大さじ1が色合いを鮮やかな赤に引き上げ、辛みに厚みを加えます。豚肉は煮込む間に肉汁をスープに放出してベースを豊かにし、じゃがいも、ズッキーニ、玉ねぎ、豆腐が一鍋で合わさることで一種類だけ入れたときより均衡のとれた食感になります。テンジャンとコチュジャンの二種類の発酵調味料が入ることで単純なコチュジャンチゲよりも風味が複合的になり、ご飯と一緒に食べるとスープまで残さず食べてしまうほど深みのあるピリ辛チゲです。
サバ大根チゲ(サバと大根のコチュジャンスープ)
サバと大根のチゲは、サバと大根を主役にした辛くて爽やかなスープの魚チゲだ。サバは脂質が豊富で、煮込む間に旨みを含んだ脂がスープ全体に広がり、煮汁にコクのある深みを与える。大根を鍋の底に敷いてその上にサバをのせてから薬味を加えて煮ると、大根が鍋底の熱を受けて甘くとろりと煮えながら魚の臭みを吸い取る役割を果たす。粉唐辛子とコチュジャンを合わせて使うことで辛さと発酵の深みが同時に引き出され、薄口醤油で最後に味を整えると塩気が突出せず旨みとのバランスが取れる。長ねぎと青唐辛子を加えると香りとピリッとした辛みがスープに加わる。魚の生臭さが気になる場合は最初の薬味にしょうがの薄切りを混ぜると効果的に臭みを抑えられる。スープを含んだ大根とサバをご飯の上にのせて一緒に食べるのがこのチゲの伝統的な食べ方だ。
つぶ貝チゲ(つぶ貝缶のコチュジャンピリ辛鍋)
コルベンイチゲは、つぶ貝の缶詰を使って作るピリ辛チゲです。缶詰のつぶ貝はすでに加熱済みなので、長く煮ると固くなります。だしが沸いて野菜がある程度火を通ったあとで加え、2〜3分だけさっと温める程度にするのがコリコリとした食感を保つ秘訣です。煮干しだしが海鮮の旨味のベースを作り、コチュジャンと粉唐辛子が辛くてコクのあるスープを生み出します。キャベツと玉ねぎは時間が経つほど甘みが溶け出して辛い味付けとのバランスを整え、青陽唐辛子1本が後味に鋭い辛さを加えてスープ全体を引き締めます。長ねぎを加えて最後にひと煮立ちさせると香りが立ってチゲの完成度が上がります。ご飯のおかずとしても、焼酎に合うおつまみとしても楽しめるチゲです。
ゴンドゥレ(アザミ菜)テンジャンチゲ
茹でたゴンドゥレ(アザミの若菜)とテンジャンを一緒に煮込む、江原道の趣あるチゲです。ゴンドゥレはキク科のコウライアザミの若葉で、ほのかな苦みと香ばしい山菜の香りが際立っています。この特有のやわらかな食感とほのかな山菜の香りがテンジャンの香ばしさとよく合います。じゃがいもと豆腐がスープにボリュームを加え、煮干し昆布だしがすっきりとしたベースを支えます。刺激が少なくても味わいのある、素朴な山菜テンジャンチゲです。乾燥ゴンドゥレを使う場合は水に十分に浸けてから茹でることで硬さが出なくなり、生のものは下茹でした後に冷水でさらして苦みを取り除くのがポイントです。テンジャンを入れすぎず、素材本来の香りが引き立つ程度にだけ味を整えることがこのチゲの真髄です。
わらびと牛肉のチゲ(山菜と牛バラのほっこり鍋)
わらびと牛肉のチゲは、茹でわらび、牛バラ肉、大根を順に煮る4人分の汁物です。牛バラ肉250gは冷水の中に20分置いて血を抜き、3cmの一口大に切ります。大根は180gを用意し、一辺2cmの正方形で薄く切ります。鍋へ牛肉と水1200mlを入れ、中火を保って15分煮ます。表面に浮くアクと脂をこまめに除き、汁が濁らないようにします。茹でて戻したわらびは220gを冷水でもう一度すすぎます。切りそろえる長さは6cmです。薄口醤油大さじ1.5、みじん切りのにんにく大さじ1、粉唐辛子大さじ1をわらびに絡め、味を全体に行き渡らせます。牛肉の汁には大根を先に入れ、8分加熱します。大根が透き通ったら味付けしたわらびを移し、粉唐辛子が汁に均一に溶けるよう軽く混ぜます。火加減を中弱火へ変えた後も10分煮込み、わらびが柔らかくなった状態を確かめます。小口切りの長ねぎ1本を入れ、最後の1分だけ加熱します。味を見て不足する場合に限り、塩か薄口醤油で調えて器へ分けます。
ピリ辛牡蠣豆腐チゲ(冬の牡蠣と豆腐鍋)
ピリ辛牡蠣豆腐チゲは、大根を先に煮ただしへ木綿豆腐を温め、牡蠣だけを最後に短く加熱します。牡蠣180gは薄い塩水の中で手を使ってやさしく揺らし、砂や汚れを落とします。形を傷めないようこすらず、ざるへ上げます。大根120gは薄切りにし、木綿豆腐300gは大きめの一口大に切ります。長ねぎ40gと青唐辛子1本は仕上げ用の斜め切りにします。鍋へ煮干し昆布だし700mlと大根を入れ、火加減は中火に保って7分ほど煮ます。大根が半透明になったら、薄口醤油大さじ1で調味します。刻みにんにくを大さじ1加え、粉唐辛子も大さじ1入れて、固まりをスプーンでほぐします。そのまま1分煮てから豆腐を加え、中火を保って約5分温めます。豆腐を崩さないよう強く混ぜず、熱い汁を上からかけて中心まで温めます。牡蠣を入れた後は30秒で縁の状態を見始め、ふっくらするまで、長くても1分だけ火を通します。長ねぎと青唐辛子を加え、牡蠣が縮み始める前に火を止めます。牡蠣と豆腐が均等に入るよう、汁と具を2つの器へ分けます。
牡蠣キムチチゲ(冬の牡蠣と熟成キムチの旨味鍋)
牡蠣キムチチゲでは、酸っぱいキムチをえごま油で炒め、牡蠣を最後に短く煮ます。仕上げた汁と具は2つの器へ分けます。生牡蠣180gは薄い塩水の中でつぶさないように振り洗いし、殻の破片を取り除きます。ざるへ移して余分な水分を落としておきます。鍋にえごま油大さじ1を広げ、酸っぱいキムチは220g量って鍋へ移します。中火を保ちながら3分動かして炒め、葉がしんなりし、鋭い酸味の香りが穏やかになったら薄切りの大根120gを入れます。煮干しだしは750ml用意して鍋へ加え、強火へ上げます。沸騰後も8分加熱して大根が透き通るまで煮ます。粉唐辛子大さじ1を汁へ溶かし、刻みにんにくも大さじ1加えます。中火へ落として3分煮て、キムチの酸味が強い場合に限り砂糖をひとつまみ使って整えます。汁が勢いよく沸いているところへ牡蠣と刻んだ青唐辛子1本を入れます。2分後から牡蠣の縁を見て、締まりが足りなければ3分まで火を通します。中心のふくらみが残り、縮み始める前が止め時です。斜め切りの長ねぎ40gを散らしたら直ちに火を消し、余熱で香りを出します。牡蠣がさらに固くならないよう、熱いうちに汁と具を盛ります。
牡蠣と春菊のチゲ(磯の旨味と春菊の香り鍋)
牡蠣220gは薄い塩水で殻の欠片や汚れをやさしく洗い、身を崩さないようざるに上げて水気を十分に切ります。鍋に煮干しだし700mlと厚さ0.5cmに切った大根120gを入れ、強火で約7分煮ます。粉唐辛子は大さじ1、にんにくも大さじ1使います。薄口醤油は大さじ1.5を注ぎ入れ、汁が濃く濁らないよう全体を合わせます。豆腐180gと牡蠣を入れたら中弱火へ落とし、加熱は5分にとどめます。牡蠣の身がふっくらしたところで次へ進み、硬くならないよう加熱時間を延ばしません。斜め切りの長ねぎ40gと春菊70gは最後に入れ、1分だけ煮ます。春菊は余熱でも火が通るため、少ししんなりした時点ですぐ加熱を終えます。汁が冷める前に牡蠣、豆腐、大根、春菊を均等に盛り、炊きたてのご飯と一緒に温かい状態で2人分を出します。
海鮮テンジャンチゲ(アサリと海老の旨味味噌鍋)
海鮮テンジャンチゲは、豆腐とズッキーニを味噌だしで煮た後、アサリとえびを短時間で仕上げます。アサリ150gは塩水の中で砂が残らなくなるまで砂抜きし、殻同士をこすって流水ですすぎます。えび100gは殻をむき、背の黒いわたを除きます。豆腐200gはひと口大に切り、ズッキーニ半分は煮崩れしにくいよう、薄くしすぎずやや厚めに整えます。昆布煮干しだしは500ml用意し、鍋へ移して中火にかけます。縁から泡が出始めたらテンジャン大さじ2を少しずつ溶きます。汁が再び沸いたところで豆腐とズッキーニを加え、中弱火へ落として約3分煮ます。味噌が鍋底へ沈んで焦げないよう、底から軽く動かします。アサリとえびを入れたら一時的に強火へ上げ、汁を沸かします。殻が開き、えびが赤く変わった時点で長く煮続けません。スープに深みが出たら刻みにんにくを加え、最後の加熱は30秒だけにします。味を見て塩辛ければだしで調整し、2つの器へ分けて熱いうちに供します。海鮮を最後に入れ、色と殻の変化を見て加熱を終えることが、身を硬くしないための基準です。
海鮮鍋(えび・いか・カニのコチュジャン鍋)
海鮮チョンゴルはエビ、アサリ、イカ、ワタリガニなど様々な海鮮を一つの鍋に入れて煮込む海鮮鍋です。昆布だしにコチュジャンと粉唐辛子を溶いて辛みのある赤いスープを作りますが、コチュジャンは発酵した旨味を加え、粉唐辛子は辛みの香りと鮮やかな色を出します。4種類の海鮮がそれぞれ異なる種類の旨味をスープに加えます。アサリは貝特有の塩気と甘みのある出汁を出し、ワタリガニはカニ特有の甘くて深い旨味を加えます。イカは噛みごたえのある食感を提供し、エビはすっきりとした澄んだ味わいをもたらします。豆腐とズッキーニが海鮮の間でやわらかな食感を添え、薄口醤油で味を仕上げることでスープの色を濁らせずに適切な塩気を加えます。チョンゴルの特性上、テーブルに出した後も煮込みながら食べるため、最初に火を通しすぎないことが大切です。特にエビとイカは加熱しすぎると硬くなるため、スープが沸騰するタイミングで加えて短時間で火を通すことが肝心です。大きな鍋にたっぷり盛って皆で分け合いながら食べるのに最適な、ボリューム満点の海鮮料理です。
海鮮チゲ(えび・いか・アサリのピリ辛鍋)
海鮮チゲは、えび・いか・アサリなどの海鮮盛り合わせをたっぷり入れ、粉唐辛子とコチュジャンでヒリヒリとした辛さに煮込んだ力強いチゲだ。アサリが加熱されて口を開くにつれ、すっきりとした塩気の旨味がスープの土台を形成し、そこに粉唐辛子の赤く辛い色と香りが加わって海鮮特有の深い風味が引き立つ。豆腐とズッキーニを大きめに切って一緒に入れると、海鮮のだしを吸い込んで内側まで味が染み込み、食べ応えが生まれる。長ねぎと青唐辛子を最後にのせると彩りと香りが加わり、土鍋のまま食卓に出せばぐつぐつとした音とともに食べ終わるまで温度が保たれる。白ご飯を添えれば海鮮の旨味がご飯粒一つひとつに染みわたり、一食が完成する。
ハムたっぷりプデチゲ(スパムとソーセージの軍隊鍋)
スパムとウインナーソーセージをたっぷり入れて肉の旨味が濃厚なプデチゲです。よく漬かったキムチの酸味が加工肉の塩気とバランスを取り、コチュジャンと粉唐辛子がピリ辛の奥行きを加えます。ラーメンの麺を加えると煮立つにつれてスープを吸い込み、もちもちとした食感と旨味の濃い麺に仕上がります。だし900mlをたっぷり使い、みんなで囲んで食べる鍋料理として最適です。プデチゲは朝鮮戦争後に米軍基地周辺でハムやソーセージなどの余剰食材を韓国の食材と組み合わせたことから生まれた料理で、現在はスパム、チーズ、ラーメンが入るスタイルが最も一般的です。ハムをたっぷり使ったこのバージョンは、加工肉ならではの塩気と重厚な旨味を前面に出したスタイルです。
ムール貝チゲ(たっぷりムール貝のピリ辛スープ)
ムール貝チゲは、ムール貝900gから出るだしに大根と辛味を重ねる4人分の汁料理です。貝の側面に付いた足糸を手で引き抜き、殻同士をこすって汚れを落としてから、きれいな水で数回すすぎます。大根180gを3cm角になるよう薄く切り、長ねぎ60gと青唐辛子2個は厚さ0.5cmの斜め切りにします。鍋に水1100ml、大根、みじん切りのにんにく大さじ1.5、みりん大さじ1を合わせ、強火で約7分煮ます。大根が透き通ったらムール貝を入れ、中強火でまず4分加熱します。殻が開き、汁が白く濁ってだしが出たかを見て、必要なら5分まで続けます。粉唐辛子大さじ1を混ぜ、薄口醤油大さじ1.5は少しずつ加えて塩加減を整えます。さらに3分煮た後、長ねぎと青唐辛子を加えて1分だけ火を通します。身が硬くなる前にすぐ器へ盛り、最後まで殻が開かなかったムール貝は安全のため取り除きます。
干しスケトウダラと白菜のチゲ(干し魚と白菜の淡白鍋)
干しスケトウダラ90gをごま油で先に炒め、白菜350gを加えて澄んだ香ばしいスープに仕上げるチゲです。干しスケトウダラは5cmに切り、冷水に30秒だけ浸してから固く絞ります。長く戻さないことで味が水へ流れず、水分を含んだ身も炒める間に焦げません。中火で熱した鍋にえごま油小さじ1と干しスケトウダラを入れ、1分炒めて明るい色と香りを引き出します。水1.2Lを注いで強火で沸かし、3cmに切った白菜と厚めに切ったズッキーニ140gを入れ、火加減を中火にして10分煮ます。白菜の芯が半透明になったら、みじん切りにんにく大さじ1と薄口醤油大さじ1で調味し、豆腐220gを崩さないように加えて6分煮ます。長ねぎ50gは最後の2分に入れ、火を止めた状態で2分そのまま置きます。干しスケトウダラの味が出た澄んだ汁に、柔らかな白菜と豆腐がよく合います。
干しスケトウダラチゲ(ファンテチゲ)
ごま油で炒めた干しスケトウダラが澄んだスープの中心となり、豆腐と卵を順に加えます。2人分には干しスケトウダラ80g、豆腐200g、卵2個を使います。干しスケトウダラは冷水に短く浸し、柔らかくなったら手でしっかり絞って水気を切り、3から4cmの長さに切ります。豆腐は崩さないよう1.5cm角に切って別に置き、卵は白身と黄身が均一になるまで溶きます。鍋にごま油大さじ1とみじん切りにんにく大さじ1を合わせ、中火で温めます。にんにくの香りが立ったところで干しスケトウダラを加え、2から3分よく混ぜながら炒めて香ばしさを引き出します。鍋底に付きそうな場合は水をすぐに加えず、火を少し弱めて混ぜ続けます。水500mlを鍋へ加え、強火でしっかり沸かします。沸騰したところへ豆腐を静かに移し、その後は中火にして約3分煮ます。スープが澄んで味が出たら、煮立った状態で溶き卵を円を描くようにゆっくり注ぎます。卵の細かな筋が固まるよう約20秒は混ぜずに火を通し、塩で味を整えて熱いうちに出します。
うなぎチゲ(淡水うなぎとえごまのコチュジャン鍋)
淡水うなぎをコチュジャンとえごまの粉で煮込んだ滋養チゲです。うなぎの脂の乗った引き締まった身がピリ辛のコチュジャン味と調和して濃厚な旨みを生み出し、えごまの粉がスープにとろみのある香ばしさを加えて、一杯が重厚に仕上がります。粉唐辛子がコチュジャンの上にさらに辛みの層を重ね、一さじごとに複雑な風味が広がります。うなぎは骨ごと入れる方法と骨を取り除いて身だけ入れる方法があり、骨ごと入れるとスープがより深くなり、コラーゲンが溶け出してとろみが生まれます。にんにくと生姜を十分に加えることでうなぎ特有のにおいが抑えられ、えごまの粉は火を止める直前に最後に加えることで香ばしさが飛ばずに残ります。伝統的に体力を補う滋養食として知られ、韓国の旧暦の最も暑い三伏の日や、夏の暑さで体力が落ちる季節に特によく食べられます。熱々の一杯を食べると体の芯から熱が広がっていく感覚があります。
チャグリチゲ(豚肉とじゃがいものピリ辛煮込み)
チャグリチゲは、豚肉とじゃがいもをコチュジャンベースの味付けで汁気少なめに煮詰めた鍋料理です。まず鍋で豚肉を炒めて脂を引き出し、コチュジャン、粉唐辛子、醤油を加えてさらに炒めることで、調味料の風味を肉にしっかりと染み込ませます。そこに厚切りにしたじゃがいもと水を加えて煮込みます。煮る過程でじゃがいもが崩れ、溶け出したでんぷんによってスープに自然なとろみがつき、濃厚に仕上がります。さらに玉ねぎを加えて甘みを足し、仕上げに長ねぎを入れて香りを引き立たせます。一般的なスープの多いチゲとは異なり、汁気がほとんどなくなるまで煮詰めるのが特徴です。このとろみのある具材をご飯にかけて混ぜて食べるスタイルに適しています。
イイダコと豆腐のチゲ(小ダコと豆腐のピリ辛アンチョビ鍋)
4人分のイイダコと豆腐のチゲは、野菜を煮た辛いだしへイイダコを最後に加え、短時間で仕上げます。イイダコ450gは頭の中の内臓を丁寧に除き、足を粗塩でもんでぬめりを取ります。冷水で洗ってざるへ上げ、水気を十分に切ります。豆腐は300gを使い、2cm四方の角切りにします。ズッキーニは150g、玉ねぎは120gを用意し、どちらも大きめに切ります。鍋へ煮干しだし850mlを入れ、粉唐辛子大さじ2、みじん切りのにんにく大さじ1、薄口醤油大さじ1を溶かします。強火で5分しっかり沸騰させ、調味料がなじんで汁が赤くなるまで加熱します。玉ねぎとズッキーニを先に入れ、火加減を中火へ変えて約6分煮ます。野菜が透き通って軟らかくなり、甘みが汁へ出たところでイイダコを入れます。ここで大さじ1の清酒も合わせます。イイダコが丸まり始めたら豆腐を入れます。再沸騰から3分経った時点で火の通りを確認し、長くても4分以内に加熱を終えます。これ以上煮るとイイダコが硬くなるため、時間を延ばしません。火を止めて蓋をしたまま2分蒸らし、弾力の残るイイダコと汁を含んだ豆腐を均等に器へ盛ります。
チゲについて
テンジャン、コチュジャンなど韓国の発酵調味料が生み出す深い旨みがチゲの魅力です。冷蔵庫の残り物で手軽に作れるのも嬉しいポイントです。